りんけーじ96 リヴァイアサン!?
りんけーじ96 リヴァイアサン!?
「いててて…」俺たちは、再び真っ暗な深海に放り出された。
「ひゃああ!何これ?気持ち悪いわ!気持ち悪いわー!!」リヴァイアサンのぬるぬるの内容物まみれになった、鈴乃が悲鳴を上げた。
「ホントに、ベトベトです..ローリィちゃん大丈夫?」あかねが付着物を振り払いながら、げんなりした顔で言った。
「尾びれの先が消化されかかったけど、大丈夫だっぽ」ローリィは、尾びれを振った。
確かに、先端が少し溶けかかっていた。
「ううう…最悪じゃ」凜も自慢のツインテールがしおれていた。
「気持ち悪いです」えるは体を、ブルブルと揺さぶった。
「あ、あれ何?」ヴァールが、リヴァイアサンの方を指差していた。
見るとリヴァイアサンは、シュウシュウと巨体が白い泡に包まれていた。
やがて白い泡は徐々に小さくなっている様だった。
「何か、溶けているみたいね」鈴乃はどんどん小さくなっている泡の塊を怪訝そうに見つめた。
やがて、1メートル程になった。
「随分小っちゃくなっちゃいましたね」あかねが口両手を当てながら恐る恐る上から見下ろした。
その時、「ググウウ..、ヤラレタ..」と言う声と共に泡の塊の中からからにゅっと震える手が現れた。
「きゃ!」びっくりしたあかねは、飛び退いた。
「!?」一同が注視した。
すると、手に続いて、頭と四つん這いになった体、足が現れた。
「何じゃ!?」凜が叫んだ。
それは青い髪をサイドテーブルにした、白い服を纏って、尻尾が生えた美少女だった。
「え!?このコ...」ヴァールが呟いた。
ヴァールは続けた「リ…リヴァイアサン..なの!?」
「ううう…」その少女は呟き、辺りを見回した。
みんなから、注目されていることに気づくと、「あっ、あっ、あっ!?」と言って顔を真っ赤にして、ぴゅんと立ち上がると、左手を腰に置き、右手を体の前に突き出しポーズを作った。
自分を見回すと「これでよしっ、はぁーっ」と息を吐いた。
「あーっ、はっ、はっ」その少女はおもむろに笑い出すと「聞いて驚け!われこそは、深海の魔王リヴァイアサンだ!」
「ええっ!」一同驚いた。
あの巨大な禍々しい怪物がこの娘!?
みんなギャップが在り過ぎて、理解できずに呆気に取られていた。




