りんけーじ95 脱出計画実行!
りんけーじ95 脱出計画実行!
「さて次は、コイツのお腹の中から脱出ね…円正寺君!」鈴乃は腕組みした。
俺は頷いた「それじゃ、打ち合わせたとおり、始めますか!みんな行くぞ!」
「おぉ!」みんなから返事が返ってきた。
「リヴァイアサン聞こえるか?」俺の声が怪物の胃壁にこだました。
―――返事はない。
鈴乃が代わった「リヴァイアサン答えなさい!」
「ウルサイ!」リヴァイアサンから、この世のものとは思えない恐ろしい声がした。
「リヴァイアサン!私たちを解放しなさい!」鈴乃は、リヴァイアサンの恐ろしい声に一瞬たじろいだが、深呼吸して平静を装った。
「ギャハハハ」おどろおどろしい笑い声と共に、周囲が地震の様に揺れた。
「もう一度言うわ!リヴァイアサン!私たちを解放なさい、さもないと、ひどい目にあうことになるわよ!」鈴乃は、心の中で負けちゃダメ、私!と呟きながら、叫んだ。
「オロカナ、エサドモメ!シズカニショウカサレロ!」リヴァイアサンから返事が返ってきた。
鈴乃はすうっと息を吸い込んだ「そう、それがあなたの答えね!じゃあ、実力行使させてもらうわ!」
鈴乃はあかねに目で合図を送った。
あかねは頷くと、「それじゃあ、私から行きますっ!」左右の手を振り上げた「デーフェーンシオー!」
あかねの両手からバリバリと緑色の光を放ち、シールドを展開すると、俺たちを包んだ。
「ヴァール!お願い」鈴乃はヴァールに言った。
「エィッ!」ヴァールはそう言うと、全身を発光させ、キラキラと美しく、輝く眩い光の玉になった。
「エクスピラヴィット・アニマ!」ヴァールは体をのけ反らせると、ピンっと、前に体を折り曲げた。
ヴァールの光は、その反動でヴァールの体から無数の光の雫となって放出され、リヴァイアサンの体に降り注いだ
「ギャアア」と言う、声と共に地面が揺れ動いた。
「よしっ!俺も続くぞ」俺は剣を抜いた。
「クッ!」剣の重さでよろめいた。女性の体ではちょっと重い、体を鍛えなければ。
俺は剣を持ち直し、上段に構えると「ゴッド・ヴィント!!」掛け声と共に一気に振り下ろした。
剣から青い稲妻が閃き、リヴァイアサンの体内を、駆け巡った。
「ググウウ…ヤメロ!」地の底から響き渡る様な、唸り声が響き渡った。
「じゃあ、私も!覚悟なさい」鈴乃は杖をくるくると振り回すと、両手で構えた。
すると、見る見るうちに、杖の先に火花を纏った黒炎が渦巻き出す。
「クレアーティオー!」鈴乃が叫び、杖を突きだし、杖の先に蓄積された魔力を一気に開放した。
「グワーッ!イ、イタイ!ヤメロ!」リヴァイアサンの声が聞こえてきた。
「しぶといのう!じゃあ次は我らじゃ!行くぞ、える」凜は右手の人差し指を高く掲げた。
「はい!行きます!」えるは答えた。
「ゲンナ・フランマ!」凜は右手を振り下ろすと、えるの口から、地獄の猛火が迸った。
「ギャアア!イタイ、イタイ、ナンダ!コイツラハ!ヤメテクレ!」リヴァイアサンの体が360度回転した。
「どう、未だ解放しないつもり?」鈴乃がリヴァイアサンの反応を確かめた。
「ウウウ…、ダレガ、コンナ、カトウナヤツラヲ...」リヴァイアサンの声が響いた。
は~っ、と鈴乃は息を吐いた。「じゃあ今度、一斉に攻撃するわよ!覚悟しなさいっ!」
「みんな行くわよっ!」鈴乃は構えた。
「ワ、ワカッタ、ゴメンナサイ、イマ、カイホウスルカラ、モウ、ユルシテ」リヴァイアサンから弱々しい声が返ってきた。
リヴァイアサンの胃の中で巨大渦潮が巻き起こった。
「うわあぁぁ!」俺たちは成す術もなく、その回転に飲み込まれた。
リヴァイアサンは大きな口を広げ、俺たちを胃液まみれの大量海水と共に、オエエっと吐き出した。




