りんけーじ9 再び異世界へ
りんけーじ9 再び異世界へ
中世風の街並みの遥か遠くに、青白い雪を頂いた高く聳える山脈が連なっていて、その上を数匹のドラゴンが悠々と飛んでいた。
「…探検を進めるのに、身をまもるために、何かアイテムというか、武器とかを入手する必要があるんじゃないかな?」俺は、飛んでいるドラゴンを見ながらつぶやいた。
「うーん、そうね、ゲームみたいに取り敢えず、ドロップしている物を探しましょう!」と、鈴乃が答えた。
本当にそんなものが都合よくあるのか!?と俺は半信半疑になりながら、2人で街の中を探してみることにした。
街の中の暫く歩いていると、クネクネと折れ曲がった路地に入り込んでしまった。
「なかなか、見つからないわね…えいっ!」と鈴乃が路地の暗闇に小石を思い切り蹴飛ばした。
小石は暗闇に吸い込まれ、カツーンと何かに当たった音が返ってきた。
すると突然、音のした方で、二つの小さな赤いものがキラッと光った。
「あら、綺麗ね。あの赤い光は何かしら?」鈴乃は、目を凝らして、暗闇の中の光を見つめていた。
「…」この反応は、鈴乃が蹴った石が何かに当たった結果で引き起こされた事からすると、俺は何か嫌な予感がして本能的にじりじりと後退りした。
「おーい!ハロー!」鈴乃は呑気に光に向かって話しかけていた。
すると、赤い光はどんどん大きくなりやがて暗闇から全身を現した。
それは、鋭い歯と爪!凶暴そうな赤い目でこちらを睨んでいるオオネズミだ!
ネズミの形はしているが、人間の倍はある。
そんなネズミが、鼻をヒクヒクさせ、髭を小刻みに動かしながら、フーフーっと、怒りに満ちた生臭い鼻息を吐き出していた。
「きゃあああ!」と鈴乃は叫ぶなり俺の後ろに隠れて「え、円正寺君、何とかしてよっ!!」と俺を前に押し出そうとする。
あのね、鈴乃さんが余計のことをするからだよね!と心の中で叫びつつ「逃げろ!」と、俺は叫び鈴乃の手を取り、元来た道を駆け出した。
「うわああ、食われるぅ…」俺は涙目になりながら、懸命に路地を駆けめぐり、逃げ回った。
しかしオオネズミが段々と距離を詰めてきた、大きな口の鋭い牙に肩を噛まれて制服がびりっと破れた。
「ぎゃああ、助けて~!」俺はおっしこが、ちびりそうになりながら、鈴乃の手を掴んで、必死に走った
先が見えない曲がり角に入った瞬間、突然何かに目の前が遮られた。ヤバイっ!と思った瞬間「ドン!」と黒くて大きな塊にぶつかった。
それは柔らかく、俺たちは反動で吹っ飛んだ。
「きゃああ」と鈴乃は声を上げた。飛ばされた勢いで鈴乃と繋いでいた手が放れてしまった。
俺は、転がりながら「鈴乃―っ!」と叫び、オオネズミの方を見た。
オオネズミは鈴乃の前に立ち塞がり、その邪悪な牙から、鈴乃の顔に、涎が滴り落ちた。
「いやああ!」鈴乃は恐怖に慄き叫び声を上げた。
「野郎!鈴乃から離れろー!」俺は、勇気を振り絞り、傷だらけになりながら立ち上がり、オオネズミに向かって行った。
すると、そのとき以外な事が起きた。
大きな黒い塊は何と、オオネズミを前足で押さえ込むと、バクッと一口で丸呑みにしてしまった!
俺は、その様子に呆気に取られた。ネズミを丸呑みしたものの正体を確認すると、それは、途轍もなく大きな黒い….猫だった。
「いててて」俺は全身傷だらけになりながら「鈴乃―っ!大丈夫かーっ!?」と鈴乃に叫んだ。
「あいたー…何で手を離すのよ!バカぁーっ!もう少しで食べられるところだったじゃないの!」と鈴乃の元気な声が返ってきた。
鈴乃は何とか無事らしい。
そこで、もう一度猫の方を見ると猫は大きな緑色をした目でぎょろりと俺を見た後「間一髪だったね!あまり無理しちゃだめだよ」と喋った。
聞き覚えのある声だった。ミーだ!
そしてミーは2人の無事を確認するかの様に「ミャーオ」と鳴き、くるっと後ろを向くと、霧の様に姿を消した。