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りんけーじ88 イーヴィル・ピストリス

りんけーじ88 イーヴィル・ピストリス


「ドラゴ・ルクス!」えるが叫ぶと、えるの目から光が照射され、イーヴィル・ピストリスを照らした。

巨大なサメの魔獣は、大顎から邪悪そうな牙を剥き出し、えるに噛みつこうと迫ってきた。

「える!急旋回!」凜が叫ぶ。

 間一髪のところでえるは体を捩じり攻撃をかわした。

サメは、悔しそうにギリギリと牙を噛むと、今度は触手をえるに繰り出してきた。

2本の槍はそれぞれ違う方角からえるに迫る。

「シールド展開!デーフェーンシオー!」あかねは両手を上げた。

キィイイインと言う、金属が弾かれる音が水中に広がった。

イーヴィル・ピストリスの触手は弾かれた。

更にサメの攻撃は続く。

触手の攻撃が防がれると同時に再度、頭からアタックを仕掛けてきた。

「くおの~!えるかわすのじゃ!」

「了解です!ますたー」えるは、ひらりと水中を飛んだ。

サメは尚も攻撃を続ける。

「守ってばかりじゃ埒が明かないですね、何とかしないと」あかねがシールドを展開しながら言った。

「う~む、どうするか…」凜も顎に手を当てて考えた。

ここら辺は太陽光が届かない深海..、確か捕食者は光を使って獲物を集める、一方で捕食されるものも光を使って逃げると聞いたことがある…

「ところで、える、全身を発光させることはできるか?」凜はえるに尋ねた。

「ドラコ・ルシスと言う魔力があります」えるは答えた。

「ふむ、では次に、火の玉は吐けるか」凜はさらに問いかけた。

「火の玉ですか、地竜ですから可能です」えるは凜に答えた。

「うむ、では海の中でも可能か?」えるは続けた。

「正直言って、わかりません」えるは肩をすぼめた。

「まあ、試しにやってみるだけじゃ!」凜はポンとえるを叩いた。

「凜さん何か、いい案があるんですか?」あかねが興味深気に凜を見た。

「成功するか、わからんが、深海生物の特性を利用した方法じゃ、まあ見ておれ!名付けて漆黒の海に走る一閃のフレアー作戦じゃ」凜は得意げにツインテールをなびかせた。

「よし、える、次に化け物鮫の攻撃をかわしたら、体を発光させるのじゃ、そして、火の玉を吹くと同時に発光を止めるのじゃ、そして、全速力で火の玉とは反対方向に離脱するのじゃ、わかったか、える?」凜はえるに説明した。

「体を発光させ、火の玉を放つと同時に発光を止め、反対方向に飛べばよいのですね」えるは確認した。

「そうじゃ」凜は微笑んだ。

イーヴィル・ピストリスは執拗に攻撃を続けていた。

再び2本の触手をえるに向けた。

「よし、発光!」凜の掛け声と共にえるの体は、ぼうっと青白く輝いた。それは、暗黒の宇宙に広がる銀河の様だった。

「ああ、きれい」あかねは、思わず声を上げた。

触手の攻撃があかねシールドで跳ね返されると、サメは発光するえるめがけて、突っ込んできた。

「える!発光を止め、火の玉の吐くんじゃ!!」凜が叫んだ。

一瞬辺りが暗くなると同時に青白い火の玉がえるの口から放たれた。

火の玉はシュルシュルと周り海水を高温で蒸発させながら、海の中を進んで行く。

イーヴィル・ピストリスはその火の玉を追いかけて行く。

「よし、あいつを撒くぞ」凜がえるに言うと、えるは、火の玉とは反対方向に泳ぎ出した。

イーヴィル・ピストリスは、火の玉を追いかけ、えるたちからはどんどん離れて行き、やがて、火の玉もサメも見えなくなった。

「よしっ、成功じゃ」凜はどやぁと、ウィンクして親指を上げた。



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