表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/294

りんけーじ78 宿の美味しい朝ごはん!

りんけーじ78 宿の美味しい朝ごはん!


「ここは、ゴハンが美味しいことで有名なんやで」マリスは食堂に向かう途中に言った。 

「わらわも朝ごはんはここで、食べることにしてるさかい」

食堂に着くとそこには朝ごはんが並べられていた。

 お椀の様な皿に盛られていたお米に似たものから湯気が立っており、開いた魚の干物はジュウジュウ言っており、カゴには何やらピンク色の鳥の卵が積み重なっていた。

「マリス様に聞いたけど昨夜は、済まなかったみたいだねぇ」「うみあかり亭」の老婆が、ほんのり磯の匂いがする海草のスープを運んできた。

「実はここの宿に泊まると子宝に恵まれることで有名で、新婚さんが良く泊まりに来るんだよ」老婆は続けた。

「はぁ~、おかげさまで…」と、鈴乃は頭を掻いた。

「美味しそう!いっただっきまーす」あかねは、席にみんなが着くとお箸を手に持った。

おお、この世界でもお箸を使う食文化があるんだな、とちょっと感動した。

「プルスの卵はゾーイ豆のソースをかけて蒸しレイズの実にのっけて食べると美味しいよ生みたての新鮮だからね!お代わりもあるからね、どんどん食べてね」老婆は嬉しそうに言った。

「異世界のTKGじゃな」凜はコンと卵を割った。

あかねは、温かい海草のスープを啜った「このスープ、海草と魚の味がしてとっても美味しいです」

「それは、魚やカニも頭を煮込んで、風味のいい海草マレラクトカを入れてあるんだよ。

鈴乃は焼き魚の身をほぐすと口に運んだ「この魚も塩加減と干してうま味が増して、皮がちょっとだけ焦げている感じの焼加減が絶妙で、とってもジューシーね」と目を輝かした。

「おお!このTKGも卵がプリっぷりで、黄身が濃厚で白身も嫌味が無く、ゾーイ豆のソースとの相性もバッチリじゃ!ほかほかの蒸しレイズの実に掛けて食べるとほっぺたが落ちそうじゃ~のう、える」凜はえるに向かっておどけて見せた。

 えるも、TKGを美味しそうに食べた「ますたー、顔にレイズに実が着いてますよ」と言うと、凜の頬に着いてるレイズの実をつまむと、ぱくっと口に入れた。

「みんなで食べる朝ごはんは美味しいですね」ヴァールも美味しそうにレイズの実を頬張った。

「そうやろ、そうやろ」マリスも満足気だった。

「あのっ!」あかねが突然叫んだ。

みんながあかねの方を見るとあかねの顔が赤くなった。

「ええっと…お代わりがほしいんですけど」あかねは蚊の鳴くような声で言った。

一同爆笑した。

「笑わないでください」あかねは両手で顔を覆った。

「はいよっ」宿の老婆は嬉しそうに答えた。

「遠慮したらあかん、たらふく食べたらええんや!おばちゃん、わらわも」マリスがフォローした。

「すまぬ、あかね!わらわもお代わりじゃ」凜も済まなさそうに言った。

「私もお代わり」ヴァールも続いた。

「わたし、ダイエット中なのに、こんなに美味しい朝食なんて…」鈴乃も空になったお皿を持ち上げていた。

俺も勿論お代わりした。

シンプルだが、だからこそ極められた味に一同感動し、舌鼓を打った。

「ごちそうさまでしたー」みんな朝からお腹いっぱいに朝ごはんを食べてしまった。

「お粗末様でした」宿の老婆は快く答えた。

「でもマリスもここのお風呂の事を知っていたら言ってくれればよかったのに」鈴乃は、部屋に帰る途中でマリスに言った。

「何か、とっても恥ずかしい事、しちゃったみたいじゃない」鈴乃はプイっと頬を膨らませて俺に一瞥した。

俺は、はっとして、下を向いた。

「せ、せやなー、すまんかったなー、みんなに言い忘れとったんやー」マリスは頭を掻いた。

「一つは、そういう感じのお湯でもう一つは、疲労回復する癒しのお湯の浴場が、あったんや」マリスによると、もう一つ奥に湯船があったようだった。

「ふーん、じゃあ、そっちに入ってみようかしら」鈴乃は肩を揉んだ「昨夜から今朝に掛けて色々あって、疲れたわ」

「普通のお湯なら入りたいです」あかねは鈴乃にすり寄った

「おお、われも入るぞ!のうえる!」凜はえるの手を取った。

「はい、ますたー」えるは、凜に微笑んだ。

「わたしも、入ります」ヴァールも続いた。

「俺も…」と俺が言うと、他のメンバーから冷たい視線が注がれた。

「そ、そうですよね~」俺は冷や汗をかいた。

その間、女子グループがヒソヒソと秘密会議を開いた。

しばし時が流れた。

「コホン」と鈴乃が言った。

「マリスによると、浴場がかなり広みたいだから、わたしたちの裸を覗かないっていう条件であれば、円正寺君もみんなと一緒に入ってもいいっていう結論に達したわ。」

「どう?」

「ま、マジっすか!?」俺は涙を流した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ