りんけーじ69 食物連鎖
りんけーじ69 食物連鎖
「さあ!そうと決まったら、料理始めよか!なあ、えるの親分♡」マリスは釣り上げたタコ?と魚を見て腕組みした。
「あれ?海の女神様なのに、海の生き物を料理してしまっても大丈夫なんですか?」あかねは、マリスに尋ねた。
「ちっ、ちっ、ちっ、わかってへんなぁ~」マリスは片目を閉じ人差し指を振った。
「あんたはん、海の生き物は普段何食うとるか知っとる?」マリスがあかねに質問した。
「う~ん、やっぱり、たとえば小さい魚はプランクトンとかかな」あかねは人差し指を顎に当てて上を見て考えた。
「まあ、そうやね。ほしたら、大きな魚は何食べるんやろうな?」マリスは続ける。
「大きい魚は小さい魚ですよね」あかねは、答えた。
「せやね、ほしたら、もっと大きな魚は何食べるんや?」マリスは更に続ける。
「まあ、すっごく大きな魚は、自分より小さな大きな魚..あれ、何か変だな!?」あかねは自分の答えを言った後に、言い回しがおかしくなっている事に気が付いた。
「要するに、大概生きてるもんは、別の何かを食べんと生きていけへんっちゅうこっちゃ」マリスは、腕組みして、目を閉じ頷いた。
「食物連鎖ですね」あかねも同意した。
「せやから、わらわ含め、海のもんは、生きていくために、ほかのもんを有難く頂いとるって言ういことやな」マリスは続けた。
あかねは頷いた。
「わかったら、料理の準備を始めるで!」マリスはあかねに微笑みかけると、両腕を頭の上に伸ばし、タッと海の中に飛び込んだ。
水飛沫が消え暫くすると、マリス海の中から巨大に荷車を引き揚げてきた。
そして、ザザーッと海から上がると巨大なタコ?の化け物のところまで荷車を運んだ。
「える親分♡、ほんまに済まへんのやけど手伝ってくれまへんか?」とちょっと頬を赤らめた、マリスは髪の毛から滴る雫を腕で拭いながら、えるの方をチラッと見た。
「仕方ないですね、わかりました」えるはため息を付きやれやれと言った表情でマリスの所まで来ると、巨大なドラゴンにメタモルフォーゼした。
「あぁ~!親分のドラゴンの姿♪ほれぼれするわあ~♡」マリスは瞳を♡にして、顔の下で組んだ両手を左右に振り、ヨダレを垂らしそうになりながら見とれていた。
「もう、いいから、マリスも早くドラゴンになってください!」えるはちょっと恥ずかしそうにマリスに命令した。
「ほな、わらわも!」と言うとマリスも巨大な海竜にその姿を変えた。
「それじゃ、マリスいいですか?1,2の3で持ち上げますよ!」えるはマリスの方を見て精神感応波を送った。
「あぁ、親分との初めての共同作業や!えぇな~!!」マリスが尻尾をフリフリしながら精神感応波を返した。
「何、しょうもない事言ってるんですか、始めますよ!マリスもそっちを持って下さい」
えるは巨大なタコ?を鋭い爪が付いた手でガシッと掴んだ。
「はい、親分♡了解してん!」と言うとマリスもドラゴンの手で掴んだ。
「それじゃ、いいですか?行きますよ!1,2の~3!」えるが掛け声で、巨大なタコ?はその身をグニャリとさせながら2頭に持ち上げられドザザッと、巨大な荷車に吸い込まれて行った。
次いで、マリスは荷車をゴロゴロと地面を揺らしながら、テラ・ゴストムの所まで運ぶと、えるとその巨大な魚を荷車にズシンと積み込んだ。
そして、皆で海の家を目指した。
海の家の前にたどり着くと、アリクイの様な口をした大きな黒い目をした亜人の店員が
どこからともなく現れた。
そして、2頭の巨大な竜に驚きもせずに言った「おお!お客さん達大物を釣り上げたね!」
さすがこちらの世界!竜如きでは驚かないんだな~、当たり前なのかな?と、俺は店員に感心した。
「さて、ここでは、店で料理にして出すこともできるが、自分たちで調理することも可能だ。お客さん達どうする?」店員は2頭の竜を交互に見ながら尋ねた。
「せやな~?親分どうしますか」マリスはシュるんと女神の姿に戻るとえるに尋ねた。
「皆さんどうします?」えるも人間モードになると、皆に尋ねた。
「自分たちで料理って、誰かこの食材?の料理のレシピ知ってるの?」鈴乃が周りを見渡した。
―――当然、もう一つの世界組の俺、凜、あかねが知っているはずがない。
「あのぅ~、私で良ければ料理できますが?」皆が声を上げたヴァールの方を見た。
「そ、そう。ヴァールは調理の仕方を知っているのね!?」鈴乃は不安そうに答えた。
ヴァールは頷いた。
「で、でも、お店で料理してくれるって言うんだから、そっちの方がヴァールも楽でいいんじゃない?」鈴乃は何かヴァールの秘密でも知っている様な受け答えであった。
「やっぱり、幽霊のわたしじゃダメですよね…」ヴァールは瞳に涙を湛えて答えた。
「そ、そんな事、ないわよ、ヴァールが大変なんじゃないかなーって思って、ただ、それだけ!それだけ!」鈴乃は右手を上下に振った。
「わ、私なら大丈夫です、お料理するの好きなんです」ヴァールは胸に手を当てうるうるした瞳で答えた。
「じゃあ、自分たちで調理する方でいいんじゃない?凜やあかねはどう?」俺は、ヴァールを応援した。
「そうじゃな、これだけ、ヴァールが作りたいと言っているんだから作らせてやったらよかろう!のうあかね」凜が左手を額に当てながら言った。
「そうですね、私も手伝います!」あかねも凜に同意した。
一瞬電流が走ったかの様に、両手を広げビクっとした鈴乃は、間を置いてはぁーっと溜息を着いて「仕方ないわね、じゃあ、自分たちで調理する事にしましょう、みんなで手伝って!」
と言った後に、不穏な笑みを湛えながら鈴乃は俺の方を見た「よかったわね~ヴァール!円正寺君がみんな食べてくれるって!」。
「はいっ!頑張ります!!」ヴァールは両手を胸に当て嬉しそうに微笑んだ。




