りんけーじ50 謝罪
りんけーじ50 謝罪
「ゴ、ゴメン。今、出るから!」何が何だか判らないまま、慌てて立ち上がった瞬間、足が滑った!
次の瞬間、むにゅっと両手に何か柔らかいものの感触があった。
前を見ると「あ、あ!」涙目になった鈴乃の真っ赤な顔が目の前にあった…。
―――両手は、鈴乃のバストを覆っていた。
「ほ、本当に、ゴメン!」俺は真っ赤になって目を瞑り、混乱した。
「この、ヘンタイ!」べしっ!!鈴乃の強烈な平手打ちを左頬に喰らうと同時に俺は「ぐはっ!」と、意識が遠のきブクブクと、水中に沈した……
「う~ん」気が付くと、俺は焚火の傍で寝ていた。
周りに、焚火を見つめて微笑む女子たちがいた。
俺は何故ここで、寝ているんだろう?よく状況が掴めないでいた。
確か、鈴乃たちが入浴するからって、泉を離れて散歩している途中に野生のシカに遭遇して、慌てて逃げて…。
転落したら、何故かお湯の中にいて……。
だんだんと記憶が鮮明になってきた。
お湯の中に鈴乃たちがいて…!。
そ、そうだ!女子たちは一糸纏わぬ姿だったから、焦ってお湯から上がろうとして…。
「はっ!」俺は、飛び起きて鈴乃を向いてジャンピング土下座した。
「すみません。鈴乃さんっ!不可抗力とは言え…、そのっ、あのっ、えっと、ほんっとうっにすみませんでしたっ!」おれは、平身低頭謝った。
鈴乃は焚き火を見つめたまま引き攣った笑みを浮かべ、ふーっと息を吐き、目を閉じ、間をおいてから目を開け喋り出した。
「円正寺君…」
「はいっ!」土下座したまま俺は答えた。
「本当は、魔法で灰燼に帰してもらうところだけど、確かにキミが言っていたとおり、キミが飛び込んできた崖の上には、大きな鹿がいたわ」鈴乃は続けた「でも、あなた、剣を持っているわよね?何でそれで戦おうと思わなかったの?」鈴乃が焚き火を見つめたまま笑顔で答えた。
「すみません。突然の出来事だったんで、咄嗟に逃げてしまいました。ごめんなさい
!」俺は謝るしかない…。
暫く間が開いた後、はあっと鈴乃は再び息を吐きだし、俺の方に向いた「今回は、状況がわかったから、許すことにしましょう。ただし、今度は闘って撃退しなさい…」
「す、すみませんでした!」俺は何とか許してもらえた様だった。




