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りんけーじ48 泉で入浴!

りんけーじ48 泉で入浴!


「ふぅ。やっとじゃま者がいなくなったのう。える!」凜がえるの胸に顔を埋めた。

えるはやさしく微笑んだ。

「ちょっと、かわいそうですね…」ヴァールがマントを脱ぎながら言った。

「ヴァールは文字通り透き通る様な肌ね」鈴乃はヴァールの体に感心した。「でも、私達の裸を見せるわけにはいかないわ!」鈴乃も片方ブーツを脱いだ「円正寺くんには、わたしたちが、入ったあとでゆっくり入らせてあげましょう」。

「しかし、服もヌルヌルじゃな」凜が脱いだ服を持ち上げた。

「はぁあ~。温かくて気持ちいい」あかねが泉に浸った「それにしてもヴァールちゃんも抜群なプロポーションだね!うらやましいTT 幽霊にしておくのがもったいない!」。

「幽霊ですから…」ヴァールは寂しげに微笑んだ。

「そ、そんなことないよ。ヴァールちゃんはちゃんと存在してるし、わたしたち友達でしょ!」あかねが顔を赤らめて反論した。

「そうじゃ。えるだってドラゴンじゃが、われの眷族でもあり友達じゃ!」凜が泉に浸かり瞳を閉じて頷いた。

「ヴァールに私達の事を話しましょう」鈴乃が皆を見回した。

鈴乃はヴァールに自分たちは(える以外)は、この世界の住人ではないこと、ミーという黒猫にもらった指輪を使い、この世界ともう一つの世界を行き来していること、もう一つの世界では高校という学校に通っている学生であること、えるも人間の姿でもう一つの世界の学生であることを話した。

ヴァールは最初は、あっけにとられていたが、話を進めるうちにだんだんと理解したようだった。「えぇっと、鈴乃さんの話からすると、この世界とは別の世界があり、普段はそこで皆さんは生活しているのですね!?」

鈴乃は腕組みをして答えた。「そう。それで、こちらに来る時は、異世界探検部の活動としてこちらの世界に来ているのよ。」

ヴァールは暫し沈黙していた。

やがて、両手で顔を覆ったかと思うと、瞳からぽろぽろと大粒の涙を流した。

「皆さんがうらやましいです。私は、かなり以前から気が付いた時から、幽霊として

あのダンジョンに一人でずっといました。ずっと、孤独で寂しくて、寂しくて」

「でも、皆さんがわたしを怖がらずに、お友達となってくれたから、今はとても満たされています」ヴァールは涙が光る顔を綻ばせた。

「結構この遺跡も結構広いんだな。」女子たちが入浴している間、俺は泉から少し離れた場所を散策していた。

半ば木々に埋もれた古城の遺跡を見渡した。古城の上には抜けそうな青い空が広がり、地上から沸き上がった雲が上だけ日光に照らされ金色に輝いていた。

心地よい風が優しく顔を撫で、名も知らない美しい小鳥が木々の間で囀っていた。


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