表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/294

りんけーじ47 ダンジョンを出る

りんけーじ47 ダンジョンを出る


「うわっ、眩しい!」夜目になっていたので、一瞬視界が真っ白になり何も見えなくなった。

暫くすると、ようやく周囲の物が見える様になってきた。

遺跡の崩れかけた古城は、かなり古いものらしく、大木が城の至る所に生い茂り、今にも崩れ落ちそうな古城を大木が吸収し支えていた。

「う~ん。やっと外にでられた~」あかねが、伸びをした。

しかし、外の空気は、気持ちがいい。

「そうですね」ヴァールが微笑みかけた。

「あれ?ヴァールちゃん、体が透けてない?」あかねがヴァールに言った。

ヴァールを見ると、確かに体が透けてうっすら背景が見えた。

「えへへ、わたし、幽霊のせいか、明るいところに出ると、体全体が透き通ってしまうんです」ヴァールは少し寂しげに答えた。「暗いところでは、普通の人間と変わらないんですが……」

「摩訶不思議なことじゃのう。」凜がえるにしがみついたままヴァールを見た。

ヴァールの案内で遺跡を進むと泉に辿り着いた。

泉は割と大きく沐浴もできるほどだった。

「さあ、じゃあ、服と体を綺麗にしましょう!」鈴乃が泉を見た。

「冷たい!><」あかねが泉の水に手を触れた。

「このまま水浴びをしたら風邪を引きそうね……」すずのが思案し「そうだ!わたしに言い考えがあるわ!」とパチンと指を鳴らした。

 「える、火を吹いて水を温めてちょうだい」鈴乃がえるに言った。

えるは凜の顔を見た。

凜は「える。やるのじゃ!」とえるの瞳をみた。

えるは静かに頷くと「では、危ないからマスター少し離れていて下さい」と言うと凜と間隔を開けた。

えるがすぅっと息を吸い込むと、髪の毛がさわさわと逆立ち瞳が怪しく燃え、口が耳元まで裂け牙が現れた。

次の瞬間えるの裂けた口から炎が吹き出した。

えるは顔を左右に振り、炎がひととおり泉を覆った。

炎が治まると、えるは元の美少女に戻り静かに微笑んでいた。

泉を見ると湯気が立ち上っていた。

ヴァールとあかねが泉に近づき、手を差し入れた「わぁー、調度いい感じ」と手を絡めて顔を見合った。

ヴァールの手は透き通っているが、温度は感じられるらしい。

「円正寺くん!とりあえず、お散歩でもしてきてくれないかしら!」鈴乃が人差し指を差し向け、半ば強制的に言った。

「そうじゃ!乙女の入浴じゃ。覗くでないぞ!のう、える」凜が再びえるにしがみついた。

えるは頷いた。

おお、これから美少女たちの入浴か。皆を見ると入浴姿が妄想となり頭をよぎった。

仕方ない、健全な男子高校生の反応である。

「円正寺先輩のスケベ!」あかねは、こちらの妄想を感じ取ったらしく頬を赤らめた。

「べ、べつに、変な事考えてないし~、覗かないし~」俺は咄嗟にその場を離れた。

きっと、素晴らしい光景が広がるに違いないが、覗き見でもしようものなら、鈴乃やえるに八つ裂きにされてしまうだろう。

女性陣が上がるまで、遺跡の周りを歩くことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ