りんけーじ45 ヒュージ・アルミス・コチレアの最後
りんけーじ45 ヒュージ・アルミス・コチレアの最後
その時「わたしに任せなさい!」鈴乃が叫んだ。
何とかシャサナの杖を持った腕をスライムの中から引き出した。
「サーリス!」と呪文を唱え、巨大なカタツムリに杖を振った。
杖の先から塩の粒子が沸き上がり、やがて巨大な渦となり、巨大な渦はヒュージ・アルミス・コチレアを飲み込んだ。
グオオオ……….。何とも言えない咆哮が響き渡り、巨大なカタツムリは悶絶し凜を吐き出した。
「きゃぁああ!」巨大なカタツムリから吐き出された凜は、地面に向けて落下していく。
その瞬間「ベイントス!」俺は叫び、剣を振った。
剣から風が湧きだし、やがて落下する凜を下から押し上げた。
凜の落下する速度が弱まった。
その時、一瞬魔獣の魔力が弱まりスライムの塊から抜け出したえるが、ドラゴンにメタモルフォーゼし、飛び上がると、落下する凜にスピードを合わせやさしく背中にキャッチした。
「あぁっ!」凜は、えるの背中で回収され事なきを得た様だった。
ヒュージ・アルミス・コチレアは、降り注ぐ塩の吹雪の中で、シュウウ….と音を立てながら泡と煙を上げ、徐々に縮小していった。
暫くすると、巨大な殻だけを残し、巨大なカタツムリは消失した。
「ありがと….」えるに抱き着いたまま涙でくしゃくしゃになった顔で凜は、えると鈴乃に言った。
「凜せんぱい。今治療しますからね♡」と言い、ブレスレットを付けた両手を凜に翳し「レナトゥス!」と叫んだ。
その瞬間あかねの両手から萌黄色の柔らかな光が拡がり凜を包んでいった。
「何とか間に合って良かったわ!ね、える!」鈴乃は、凜に微笑み、えるを見た。
「はい!」えるはニコッと笑った。
「みんな無事でよかったですねっ!」あかねが涙を浮かべてほほ笑んだ。
「しっかし、体中ベトベトで気持ち悪いわね」鈴乃が手に着いたスライムを振り落としながら、言った。「それはそうと、円正寺くん、剣で何か新しい技を使ったわね?」
「ああ。実は剣の使い方が知りたくて、ノミの武器屋のじいさんに聞きに行ったことがあって、そこで教わったのさ!」と俺は答えた。
「ふーん、少しは役に立つようになってきたのね」鈴乃はチラッと一瞥した。
「あっ!」その時ヴァールが叫んだ。