りんけーじ43 ダンジョンのモンスター
りんけーじ43 ダンジョンのモンスター
暫く凜風に言うのなら、漆黒の闇の中を俺たちは、ダンジョンを奥へ奥へと進んでいった。
やがて、鈴乃の杖の灯りが、道を塞ぐ大きな塊を照らし出した。
「何かしらこれは?」鈴乃が杖を振って塊を確認した。
それは岩の様な塊であまりにも大きく全体を照らすことはできなかった。
「む、む、これを何とかしないと前に進むことはできないのう」凜が指で顎をさすりながら言った。
「何とかしないといけないですね~」あかねが凛に同意した。
「よしっ!える破壊するのじゃ!」凜がえるに指をさして言った。
―――何かわからないのにいきなり?一瞬不安がよぎった。
「ちょっ…..」
えるは凜に微笑み、すーっと息を吸い込むと、突然口が裂けた様に開き牙をむき出すとゴォーと猛炎を吐いた。
猛炎は、大きな塊にぶつかった。
ゴゴゴゴゴゴゴという音が響き、黒い塊は炎に包まれた。
あまりの熱に皆手で顔を覆い隠した。
暫くすると、炎は鎮まり、黒い塊は、煙で包まれていた。
「やったのか?」凜が煤けた顔で言った。
煙が薄くなると、黒い塊が姿を現した。
所々燻ぶって赤くなってブスブスと音を立てていたが、それ以外の変化は見られなかった。
「変化はなさそうね?」鈴乃がえるに話しかけた。
えるは「ダメージはなさそうですね」と答えた。
―――――――突然黒い塊が地響きと共に動きだした。
黒い塊が一か所蓋の様に開き中から、なにかが蠢き出した。
鎧の様なウロコを持った、胴体が現れ、胴体の先端から槍の様なものが4本突き出した。それは、大きな、カタツムリだった。
カタツムリというには余りにも巨大なもので、山の様だった。
と、突然、口から透明な玉の様なものをこちらに向かって放った。
あかねは、両手を広げデーフェーンシオーと叫んだ。
シールドが展開されたが、透明の液体の玉は、シールドをすり抜けてきた。
一瞬の出来事だったので、皆玉の液体を被ってしまった。
「きゃあ!」鈴乃が叫んだ。
「な、なんじゃ、このヌルヌルしたものは?身動きがとれん!」凜が叫んだ。
「マスター!どんどん沈んで行きます!」えるが、藻掻いていた。
確かに動こうともがけばもがくほど、ズブズブと玉の中の吸収されてく様だった。