りんけーじ41 ダンジョンの悪霊
りんけーじ41 ダンジョンの悪霊
ダンジョンの中は、湿った土とカビの匂いに包まれていた。
「凜せんぱい、怖いですっ」と言って、あかねは凜にしがみ付いた。
「し、仕方ないのう、われがあかねを守ってやろう」と言っている凜の声も、ふるえていた。
その時、急に何かがバタバタと飛びだしてきた。
「ギャー!」凜はツインテールを逆立てて、えるに飛びついた。
見ると蝙蝠がキーキーと鳴いて飛び去った。
「こわい、こわい」と、えるにしがみ付く凜と、あかねの頭をよしよしとえるが撫でた。
さらに階段を下りて先に進んで行くと「ここで、階段は終わりの様ね」と、鈴乃は、先を照らした。
鈴乃の照らした先を見ると、光が届かない、先が真っ暗な長い通路が続いていた。
遅る恐る、通路を進んでいくと、突然「出ていけー!!!」と言う叫び声と共に眩い光に、皆吹き飛ばされた。
「きゃー!」鈴乃が叫んだ。
「いててて...」息が苦しい、何か重いものに下敷きになったようだ。眼が眩んで暫く何も見えなかったが、ようやく眼が慣れると俺は、鈴乃、える、凜、あかねの下敷きになっていた。
前に視線をやると、そこにはフードを被った人影が立っていた。
「ここから、出ていけ!」フードを被った人影が言った。
「お、重い!早くどいてくれないかな」身動きがとれない俺は叫んだ。
「重くて悪かったわね!」女子たちから敵意に満ちたレスポンスが返ってきた。
「もう一度言う!ここから出ていけ!」フードの人影は叫んだ。
ヤバイ、女子を敵に回してしまった。と、咄嗟に理解した俺は、「ち、ちがう、4人の下敷きになって息ができないんですっ。お願いです!どいてください!」と叫んだ。
「どーせ私達は重いですよっ」あかねが頬を膨らませて言った。
「聞いているのかー?ここから出ていけ!」フードの人影は地団太踏んで叫んだ。
「ち、ちがう。そういうことじゃないんだけど!」呼吸ができない...。
「じゃあ、どういうことじゃ。」凜が眦を釣り上げて叫んだ。
「いや、息が…」俺は、遠のく意識の中
「お前ら~!聴いてるのか―—―!」フードの人影が半泣きになりながら、叫んでいるのがうっすら聞こえた。