りんけーじ39 勉強会
りんけーじ39 勉強会
合宿から戻るとの実力テストが待っていた。
と言うことで、鈴乃の家で勉強会となった。
鈴乃の自宅の最寄り駅である、武蔵野裏浪駅で集まり、鈴乃の家に皆で向かった。
「大谷」と書かれた表札の大きな洋館風の一軒家が鈴乃の家らしい。
インターフォンを押し「こんにちはー」と、声を掛けると「いらっしゃい。今、ドアを開けるわ」と鈴乃の声が返ってきた。
ドアが開き、鈴乃が顔を出した「中に入って」と促がした。
「おじゃましまーす」みんなで、家に入ると、ハーブのいい香りがする。鈴乃の母が姿を現した。
「いらっしゃーい。皆よく来たわね」鈴乃の母がほほ笑みながら答えた。
間違いなく鈴乃に遺伝子を受け継がせた、本人であることがわかる―――美しい。
「これ、母が持って行く様に言われまして、つまらないものですが、どうぞ」俺は、包装紙に包まれたお菓子を、鈴乃の母に手渡した。
「あらぁ、お菓子かしら?後で、お茶と一緒に出しましょうね」鈴乃の母は答えた。
「私の部屋は2階よ」鈴乃が2階に案内した。
女子の部屋に入るのなんてはじめてだ…。内心ドキドキしながら、みんなに付いていった。
「ここよ」鈴乃は部屋のドアを開けた。
鈴乃の部屋に入ると、普段の鈴乃からは想像できないほどの、少女っぽい部屋だった。
鈴乃はちょっと恥ずかしそうに「ジロジロ見ないで、じゃあ、勉強を始めるわよ!」と言った。
すると凜が「女子の部屋に入ったら、裏側チェックじゃ!」唐突に部屋を物色しはじめた。
「ちょっと、何するの!やめなさいよ!」鈴乃が制止したが、「いいでは、ないか~!」と凜は続けた。
「ほぉお、これはクマさんじゃな!」凜が何かを取り出した。
チラッと見ると、クマ柄のショーツだったが、俺はすぐに顔をそらした。
「あ、あんた、何やってんのよ!」鈴乃は真っ赤になりながら、「ぐむむ…」たんこぶに手をやりながら、しゃがみ込む凜を横目に、クマ柄のショーツを引き出しに戻した。
「じゃあ、テスト対策を始めるわよ!」鈴乃が声を掛けた。
皆、それぞれ持ち込んだ、テキストを広げた。
暫くすると「すみません、鈴乃せんぱーい、ここがよくわからないんですが」あかねが頭を抱えながら、鈴乃に尋ねた。
「えぇっと、この問題は、こうやって解けばいのよ」と、鈴乃がスラスラとノートに書き始めた。
さすが特進クラスの才女と俺は感心して眺めていると、「ぐわっ!なんじゃ!この問題はさっぱりわからん!Critical HitでHP減少じゃ!!」と凜が、> <目をしながら、叫んだ。
「ふふ。マスター、お助けしましょう」と凜がほほ笑んで問題を眺めると、一瞬緑色の瞳が輝いた。
ふわっと微風が起こり、えるのピンクの髪をなびかせると、さっと解答を導き出した。
「おお!さすがは、ドラゴンの英知を備えたえるじゃ!頼りになるのう!」凜が言った。
しばらく、テキストと格闘していると、コンコンと、ドアがノックされ、「そろそろ休憩したら、どおかしら?」と、鈴乃の母が紅茶とお菓子を持って現れた。
「すみません。ありがとうございます」一同答えた。
「ふぅう、結構続けたわね」と鈴乃が伸びをしながら言った。
時計を見ると、3時間くらい経過していた。
「ところで、試験が終わったら、次のクエストは、どうする?」
紅茶を飲みながら、鈴乃が問いかけた。
「そうじゃな、えるに聞いてみるのが、良いかもな」凜がウィンクしながら答えた。
「えっと、そうですねー」えるが暫し目を閉じて答えた。
「街外れに、古い遺跡があります。その下にダンジョンが広がっていて、悪霊が住み着いているらしいんですが、その悪霊が、夜な夜な街に出没し、街の人々が苦しめられているとの事です」
「悪霊討伐か」俺は顎を擦りながら思案した。
「あ、悪霊……、ちょっと怖いですね」あかねが、鈴乃にしがみ付きながら言った。
「ふぅむ、それは面妖じゃな。われが討伐してくれる」凜が、額に片手を当てながら答えた。
「あかねちゃんは、みんなで守りましょう」鈴乃が、あかねを見ながら言った。
「いいえ、今度はわたしが、ブレスレットで皆さんをお守りします!」あかねの頼もしい返事が返ってきた。
「じゃあ、次の異世界探検部の活動は、そこにしましょう!」鈴乃が皆に言った。




