りんけーじ37 就寝?
りんけーじ37 就寝?
テントは、3張りあり「先生、鈴乃」「あかね、凜、える」「俺」という割り振りになった。
俺が一人でテントに入って、スマホをいじっていると、「ねえ、まだ起きてる?」と
鈴乃が懐中電灯を照らした。
俺はドキッとして、入口の方を向き「あ、ああ、起きてるけど、何?」と、イベント発動か?と内心わくわくしながら答えた。
「皆まだ眠れないって言うから、ゲーム大会でもしようってことになったの。それで、あんたも、どうせスマホでもいじりながら、一人で寂しくしてるだろうからって、あんたのテントでやることになったのよ!」と鈴乃は説明した。
「はあ?」俺は状況を飲み込めずにいると、鈴乃は「じゃあ入るわよ!」と言うなり、テントの入口をガバッと開け、おじゃましまーすっ」と、鈴乃、あかね、凜、そして、えるが、ぞろぞろと乱入してきた。
「何やってるの!狭いんだから早く起きなさい!」と言うと、鈴乃はシュラフに入っている俺の上に、ドカッと馬乗りになった。「ぐえっ!」と俺は思わず息を吐いた。
それを見ていた凜、える、あかねも面白そうと、次々に俺の上に乗っかってきた。
「ぐはっ!い、息ができない!今起きるから早くどいて!」と、俺は重いやら、苦しいやら、うれしいやら複雑な感情を抱きながら抵抗した。
俺がシュラフから、ゼエゼエ言いながら這い出ると、鈴乃はテントランプを点け、「じゃあ、トランプ持ってきたから、ババ抜き大会をしましょう!」と言った。女子たちは「おーっ!」と手を上げ答えた。
「えるちゃんは、ルールが判らないだろうから、凜と一緒ね!」鈴乃はトランプを取り出し、カードを切ってみんなに、配った。
有無を言わさず強制参加となった俺にもカードが配られ、ジャンケンの結果、凜→鈴乃→あかね→俺と言う流れでスタートした。
何巡かするうちに、鈴乃の手札はみるみる減っていき「上がりだわ!」と言うと最初に上がった。
俺も手札が良かったのか次に上がり、残りは、あかねと凜の一騎打ちとなった。
「あかねよ!いよいよ、お主と雌雄を決する時が来た様じゃな」と凜は左手で顔を隠した。
「望むところです!凜さん!」とあかねの言葉にも力が籠った。
凜が残り2枚となった、あかねのカードを引こうとした時、凜の背後にいる、えるの瞳が光るのを、あかねは見逃さなかった「凜さん!えるちゃんの魔法での、ズルはだめですよっ!」あかねが凜にジト目を送った。
「わ、わかっておる、正々堂々と勝負じゃ!」あかねのカードを見ながら凜が言った。
「うーむ…、こっちじゃあ~!」凜は、向かって右側のカードを引こうとした。
あかねが、にまっと笑い「凜さんっ、ホントにそっちでいいんですか~?知りませんよ~」と揺さぶりを掛けた。
「むむむ…、心理作戦か…。じゃが、われであれば、意中のカードを相手が引こうした時は黙っているものじゃ。ということは、反対がジョーカーじゃな!われは、だまされんぞ!ええいっ!」と、最初選んだカードを引いた。
「どうじゃ!当たりじゃあ!」凜が手札を捨てた。
「わ~ん、えるちゃん、負けちゃったよ~」あかねは叫び、えるの膝に頭を埋めた。
えるは、「よしよし」と言い、あかねの頭を撫でた。
その後何回かゲームをやっているうちに、皆疲れてそのまま眠ってしまった。
「て、言うかお前ら、自分のテントに戻れ!風邪ひくぞ!」と声を掛けたが、駄目だ!皆ぐっすり眠ってしまっている。