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りんけーじ32 野外異世界探検部

りんけーじ32 野外異世界探検部


薫風の爽やかな季節になっていた。

いつもの様に部室に行くと、女子たちがワイワイと騒いでいた。

顧問の岸町京子が言った「気持ちのいい季節になった。お前らもたまには、野外活動をした方がいいんじゃないか?」

鈴乃が顎に人差し指を当てながら答えた「野外でBBQとかどうかしらね?」

「でも準備がめんどくさいのじゃ」腕組をした凜が言った。

あかねが「う~ん、それなら準備いらずのグランピングなんかどうですか?」と皆に問いかけた。

「おー!それな!」俺が言った。

「ぐらんぴんぐ?」えるが首を傾げた。

「グランピングとは、準備されているテントに泊ることじゃ」凜が説明した。

「異世界探検部、現世界で初の野外活動ね!」鈴乃が嬉しそうに答えた。

「5月のゴールデンウィーク開けの土、日辺りどうですか?」あかねが提案した。

皆スケジュールを確認しOKとなった。

「もちろん先生も顧問として引率してください」鈴乃が岸町京子に言った。

岸松京子はやれやれと言った顔で了承した。

ゴールデンウイークは、家族と旅行する者、勉強する者など、それぞれ過ごし、やがて、

グランピングの日が来た。家のドアを開け空を見上げると、初夏の朝日が眩しく輝いてい

た。天気は良さそうだ!

集合場所に行くと、岸町京子がミニバンで来ていた。「おはようございます、先生」と声

を掛けると「ああ、おはよう。」と、ベースボールキャップを被り、ポニーテールにした岸町京子が挨拶を返した。

ブルーのスキッパーシャツにデニムのパンツという普段着の岸町京子も大人の色気を漂わせ、美しかった。他のメンバーはまだ来ていなかった。

 暫くすると、鈴乃とあかねがやってきた。「おはよう」と挨拶を交わした。「円正寺君早かったわね」と鈴乃が声を掛けてきた。

 白いつば広の帽子を被り、紺地に白のドットが入ったブラウスにデニムのロングスカートの鈴乃もいい!ストライプのシャツにベージュのロングスカートのあかねもかわいい!と、普段の制服とは違う2人も新鮮だった。

「先生、おはようございます」鈴乃とあかねが言った。

「今日はよろしくおねがいします」鈴乃が頭を下げた。

「ああ、安全運転で、みんなも事故が無いようにな」と岸町京子が帽子の庇をつまんだ。

そろそろ集合時間が過ぎたが凜とえるが来ない。

「あいつら、何やってんだ…」俺が呟くと、あかねが「今、凜さんとえるちゃんは、こちらに向かっていると、連絡がありました」とスマホを見ながら答えた。

やがて、凜と大荷物を抱えたえるが現れた。

皆!?と呆気にとられた。

「えるちゃん、その荷物、何?」あかねが大荷物を事も無げに、背負っているえるを、見ながら尋ねた。

「はいっ!ほとんどマスターの物です」とにこにこしながら答えた。やっぱりえるはドラゴンなんだな…と一同納得した。

「何だ、その大荷物は?」俺が凜に尋ねると「いろいろあるのじゃ。気にせんでくれ!」と言い。「せんせー皆、遅れてすまぬ」ツインテールをなびかせながら、ぴょこんと頭を下げた。

えるが荷物を車に積み終わり出発の準備が整った。

「全員揃ったな。じゃあ出発だ!」と岸町京子が車のエンジンを掛けた。

俺が助手席、鈴乃とあかね、凜とえるという席順になった。

車は一般道を抜け、高速道路に入り、最初はビルだらけの街並みが、田園地帯となり、やがて遠くに雪を頂いた山が見える様になった。

「自然の風景はいいわねー」鈴乃が手に顎を乗せ車窓を見ながら、呟いた。「わくわくしますねっ!」あかねが答えた。

「せ、せんせー、窓開けていいですか?」凜は車に酔ったらしくえるに背中を擦ってもらいながら、青ざめた顔で弱弱しく言った。

「ああ、いいぞ」と岸町京子はルームミラーで凜の顔を見て答えた。

2時間くらい経ったところで、高原のサービスエリアでしばし休憩をとると、凜も元気になった。

再び走り始めて暫くすると、高速を降りて、一般道を進み、山が間近になると上りの山道に入り、そこをしばらく進むと、目的のキャンプ場に着いた。


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