りんけーじ307 女王ヘンリエッタ
りんけーじ307 女王ヘンリエッタ
「さあ、女王の間を目指しましょう!」鈴乃が階段を見上げた。
俺たちは階段を昇って行った。
「階段にトラップはなさそうじゃの」凜が慎重に階段を踏みしめた。
「いよいよ最後の間ですね」あかねは、不安と期待の入り混じった気持ちになった。
俺も鼓動の高鳴るのを感じた。
階段を昇りきると、女王の間の扉が見えてきた。
「大きな扉ですね」ヴァールは、そびえる扉を見上げた。
「よしっ!開けるぞ」俺はスレイプニルから降りると、扉に腕を当てた。
扉はかなり重かったが、ギィッと音がしてゆっくりと動き始めた。
ギギギギときしみながら、扉の向こう側の光が見えてきた。
かなり明るく、俺たちの視界は真っ白になった。
やがて明るさに慣れてくると、部屋の真ん中に巨大な椅子があるのが見えた。
「玉座っていうやつか」俺は女王に注視した。
その時「コホン」と咳払いする声が聞こえた。
「よくぞ、ここまで、来た」玉座から幼女の声が響いた。
玉座には6歳くらいの少女がちょこんと座っていた。
「ヘンリエッタ様お久ぶりです」スレイプニルは人間形態に戻ると深々とお辞儀した。
「フム。スレイプニルを破るとは大したものじゃ。ほめてつかわす」ヘンリエッタ女王は、赤い宝石の着いた杖を持ち上げた。
そして、ピョコンと玉座から飛び降りると、俺たちをまじまじと見た。
どうみても、数千年生きているとは思えなかった。
「一体どうなっているんだ?こんな幼女が数千年生きているなんて?」俺は、スレイプニルに質問した。
スレイプニルはニコッと笑うと「騎士様~、ヘンリエッタ様は数千年変わらず、このお姿でこの迷宮を統べていらっしゃいます」と答えた。
「と、すると、女王は神か何かか?」俺は、更に尋ねた。
「いいえ、ヘンリエッタ様は神ではありません」スレイプニルは首を振った。
「どういうこと?」鈴乃もスレイプニルに質問した。
「ヘンリエッタ様は、ここ数千年そのままのお姿でいらっしゃいます」スレイプニルは、当然のことの様に答えた。
「アンドロイドか何かか?」俺は鈴乃の方を見た。
「その可能性があるわね」鈴乃は、頷いた。
「それじゃあ、こちらから行くわよ!」ヘンエッタはそう言うと、両腕を鞭の様に変化させた。
「来るぞ」俺はあかねに合図を送った。




