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りんけーじ302 スレイプニルの幻術

りんけーじ302 スレイプニルの幻術


スレイプニルは後ろを向いていた。

「あなた、知ってるの?」鈴乃はマリスに尋ねた。

「まあ、なんとなくやけど」マリスはスレイプニルの方を見た。

「どういう特徴があるの?」鈴乃はスレイプニルの動きを注意深くうかがった。

「あいつは、走るのが早い神馬や」マリスは続けた「あまりにも早く走れるさかい、いつしか、時間を操れるようになったんや。更に、時空を捻じ曲げることもできる様になったんや」

「ふうん、何か難しそうな相手ですね」あかねが、マリスの説明を聞いて答えた。

そのうち、スレイプニルは8本の足をたたむと、座った。

「でも、相手に戦う気はなさそうじゃな」凜がいつしか、眠りに就いたスレイプニルを見て言った。

「この階層は、戦わずして抜けられそうですね」ヴァールはそう言うと、スレイプニルを避けて進むことを提案した。

「触らぬ神に祟りなし。うん、それがいいかもしれない」俺は同意した。

みんなも同意したので、スレイプニルから出来るだけ離れて俺たちは、進んだ。

遠くに見えるスレイプニルは、相変わらず目を閉じて、首を時おり振っていた。

「これなら、楽勝じゃな」凜が囁いた。

俺たちは、スレイプニルを横目に見ながら、次の階層へ進む階段を目指した。

「おかしいですね?」あかねが、歩きながら言った。

「かれこれ、30分くらい歩いているのに、全然出口にたどり着けない」

「確かにおかしいの。出口はみえておるのじゃが、一向に近づけんのう」凜は額の汗を拭った。

「どうやら、スレイプニルの幻術に捕まったようやな」マリスが答えた。

「時空が引き延ばされて、いくら歩いても目的地には、たどり着けんのや」

「あと、少しなのに」ヴァールが出口を見ながら言った。

確かに、出口は目の前に見えているのに、手が届かなかった。

「こうなれば、強硬突破じゃ」凜は駆け出した。

「ますたー、幻術の中で走ると危ないですよ」えるが注意した。

「あっ!」が、凛は走るのを止めず、小石につまずいて転んでしまった・

「大丈夫ですか?ますたー」えるが凜の所に駆け寄った。

「大丈夫じゃ」凜は立ち上がると、服に着いたほこりを払い落した。

「あれ?反対側の壁にたどり着いた」あかねが白い壁を見ながら言った。

みんなが、凛の転倒に気を取られているうちに、反対側の壁がそびえたっていた。

「おかしいわ、出口がない」鈴乃が周囲を見回した。

確かに、たどり着く前にあった出口は、無く、白い壁が広がっているばかりだった。


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