りんけーじ30 異世界の食堂
りんけーじ30 異世界の食堂
金貨が丸々余っているので、俺は「街の食堂に行ってみないか?」と、みんなに言ってみた。
「いいわね!異世界で何か食べてみましょう!」と鈴乃は言った。
「行きましょう!」あかねが言った。
「うむ」凜が頷いた。
そこで、前に入れなかったトカゲの店主の料理店に行ってみた。
相変わらず店は、音楽と人々の喋り声で賑やかだった。
程なく猫耳のウェイトレスさんがやって来た。おお、猫耳獣人のウェイトレスさん今日もかわいい!と感動していると「いらっしゃいませにゃ。この間は済まなかったニャ。今日は使えるお金を持っているかニャ?」
猫耳のウェイトレスさん招き猫の様に手を丸くして尋ねた。
俺は、仕草の一つ一つのかわいらしさに、やられていた。
俺は「今日は持ってきましたよ!」と、ガチャっと机の上に、中に入った金貨が見える様に袋を置いた。
それを見た、猫耳のウェイトレスさんは、ホッと安心した様に息を吐き、俺にニコッと微笑み「これなら、大丈夫にゃ!こちらへ、どうぞにゃ!」と言うと、奥の空いているテーブル席に案内してくれた。
「あらためて、いらっしゃいませにゃ!本日のおすすめは、ゴルブルガのソテーか、ブランドルデのステーキにゃ!共にパンとドリンクが付くにゃ」と猫耳ウェイトレスさんは耳をぴょこぴょこと動かしながら説明した。
「よくわかんないけど、ソテーがいい人?」と聞くと、凜とあかね、えるが手を挙げた。 「じゃあ残りは、ステーキでいいね?」と言うと、鈴乃が頷いた。
「オーダーはソテー3人分、ステーキ2人分、お願いします」と言うと「はい、わかりましたにゃ、暫しお待ちくださいにゃ」とほほ笑みながら言って、下がっていった。
「う~ん…異世界の料理とは、一体どんなものなんでしょうか?」あかねが口に人差し指を当てて言った。
「まあ、楽しみ半分、不安半分じゃな。えるは知っておるか?」凜が答えた。
「マスター!美味しいですよ!」とえるが自慢げに答えた。
しばらくすると。料理が運ばれてきた。何やらの肉が鉄板の上でジュージュー音を立てて肉の焼ける匂いと、独特なスパイスの香が相まって食欲がそそられた。
「うわっ!山盛り!!」あかねが目を丸くしていった。
「ふ~ん。美味しそうなにおいね!」鈴乃が言った。「じゃあ異世界にかんぱ~い!」
「かんぱ~い!!」俺たちはドリンクで乾杯した。
何か果物のジュースの様だが、色はピンク、オレンジ、青と赤が入り混じっており、今まで飲んだ事が無い味だった。味は、さっぱりとしていて、悪くない。
えるが早速、料理を頬張っている「おいひいでふっ!」と、ほっぺたを膨らませていた。
俺は恐る恐るブランドルデのステーキを切り、口に放り込んだ。噛みしめると肉汁が広がる。不思議なスパイスの味と相まってなかなか美味いっ!
「ふん、にゃかにゃか、ふまひっ!!」と、俺が言うと、「いただきま~す!!」と、あかねがゴルブルガのソテーを恐る恐る、口に入れた。もぐもぐもぐたべたあかねは「おいしい~!」と歓声を上げた。
それを、聞いていた猫のウェイトレスさんは嬉しそうに、「美味しいにゃ?当店の自慢料理にゃ!」と嬉しそうに微笑んだ。
それを見ていた凜もぱくついた「ふむふむ!なかなか、おつな味じゃな!」。
鈴乃もナイフで一切れ切り、フォークで口に運んだ「興味深いお味ね!!」。
パンもちょっと変わっていたが、美味しかった。
初めての異世界の食堂だが、思いがけなく美味しく、皆食欲旺盛に平らげてしまった。
「ふえ~、お腹いっぱいですね~」あかねが満足そうに言った。
「そうね。闘いの後の食事は格別ね」鈴乃がナプキンで口を拭きながら言った。
「われも、お腹いっぱいじゃが、えるは足りんのではないか?」凜が言った。
「大丈夫です!マスター!この格好の時は食事も人間としての分量で足りますから」
と、えるも満足そうに言った。
「あまった金貨はギルドのバンクに預けるか」ジュースを飲みながら俺は言った。
食堂を出ると、ギルドのバンクに行き、金貨を預け通帳を作った。
「じゃあ、今日はこれで、元の世界に戻りましょう」と、鈴乃が言った。
凜が、えるは、人間の格好なら、元の世界でも普通に生活できるだろうと言い、皆もそれに同意した。