りんけーじ286 サイクロプスVSゴーレム
りんけーじ286 サイクロプスVSゴーレム
「あ、あーっ!」あかねが叫んだ。
俺たちは、サイクロプスから走って逃げた。
すると、石像から、サイクロプスが現れた。
手には巨大なこん棒を持っている。
「あんなもので、殴られたらひとたまりもないぞ」俺は、足が震えた。
「ウ、ウー!」とサイクロプスは唸り声をあげると、こん棒を振り上げ、俺たち目掛けてズシンズシンと歩いてきた。
「ノーム!」ヴァールが左手を上げた。
すると、床から地の精霊ノームが現れた。
「ノーム、ゴーレムを召喚して!」ヴァールがノームに命じた。
ノームは頷くと、巨大な土人形ゴーレムを召喚させた。
ゴゴゴゴと地響きが鳴り、ゴーレムが出現した。
「ゴーレム、命じます。サイクロプスを止めなさい」ヴァールはゴーレムに指示を出した。
ゴーレムは頷くと、サイクロプスに向けて、床を揺らしながら向かって行った。
「そんなこともできるのね」鈴乃はヴァールの召喚術に感心し、驚いていた。
「ちょっと、試してみました」ヴァールはペロッと舌を出した。
「グオー!」サイクロプスは叫ぶと、ゴーレムに向けて、軽自動車1台分ほどあるこん棒を振り下ろした。
ドカンと音がして、ゴーレムの頭はバラバラと砕け散った。
「ゴーレムがやられた」俺は叫んだ。
「大丈夫です!」ヴァールはニコッと笑った。
「はーっ!レプロドクティオ!」ヴァールは両手をゴーレムに向けて振り上げた。
すると、ゴーレムの破壊された頭部が修復されていった。
「さすがは、土人形。再生もできるのじゃな」凜がうんうんと頷いた。
「さあ次は、こっちの番よ」ヴァールはそう叫ぶとゴーレムに命じた「インペトス!」
ゴーレムは頭の上で両手を握りしめると、サイクロプス目掛けて振り下ろした。
ゴーレムの両腕はサイクロプスの背中にヒットした。
サイクロプスは思わず片膝を付いた。
巨大な者同士がぶつかり合う度、ホール全体が激しく揺れた。
「ヴオー」サイクロプスは咆哮すると、巨大なこん棒を振り回した。
サイクロプスのこん棒がゴーレムの左手に命中した。
ゴーレムの左腕がバラバラと崩れ落ちたが、再生した。
サイクロプスは遂にこん棒をほうり投げると、ゴーレムに向けて突進していった。
組み合い、もつれて、バランスを崩して両者とも倒れこんだ。
そのまま、ホールをゴロゴロと転げまわった。




