りんけーじ284 トラップだらけの迷宮
りんけーじ284 トラップだらけの迷宮
「ここは、シーソーと同じね!」鈴乃は揺れている床を見て説明した。
「両端は大きく揺れても真ん中はほとんど揺れていない。つまり真ん中に沿って進めばいいのよ!」鈴乃はそれぞれ指をさした。
「そうですね。わかりました!」あかねが答えた。
「じゃあ、行くわよ!みんな続いて」鈴乃は、掛け声と共に床の中央部分に沿って走り出した。
俺たちは、凛、える、あかね、ヴァール、マリス、俺の順番で駆け出した。
みんなが駆け出した時だった。突然ホールの床が全体的にガラガラと崩れ落ちた。
「なんで、こうなるのよ!」落下していく鈴乃の声が響いた。
みんな再び、宙をさまよい、それぞれ、鈴乃はほうきを取り出し、俺たちは、えるとマリスに拾い上げられた。
「もう、ここのトラップは常識が通じないわね!」鈴乃はほうきにしがみつきながら叫んだ。
俺は、なんだか女王にもてあそばれている様な気がした。
俺たちは何とか、ホールの有った場所を抜け、次の階段にたどり着いた。
「まったく、手を焼かせる、トラップじゃな」凜が先頭になり階段を慎重に上った。
「次に、何があるか、わかりませんね」ヴァールも辺りをキョロキョロ見回した。
一見何もない階段に見えたが、また床が崩落するんじゃないかと、ヒヤヒヤした。
「みんな、気をつけてね」鈴乃が声を掛けた。
「あっ!」と、凜が叫んだ。
次の瞬間、階段が平らになり、階段はただの坂になった。
みんな足を取られ、必死に継ぎ目にしがみついた。
「この体勢はキツイな」俺は、腕をけいれんさせた。
「ちょっと待ってください!」あかねはそう言うと、「デーフェンシーオ!」と叫んで、次のホールまで、床下にネットをはった。
「このネットをたどって、進んでください」あかねはネットを握った。
「あかね!助かるわ」マリスが礼を言った。
みんな、ネットを握り先へと進んだ。
「へ?なんじゃありゃ?」凜が前を見て再び叫んだ。
前のホールからオレンジ色の何かがゴロゴロと転がり落ちてきた。
だんだん近づくにつれそれが何かわかった。
それは、巨大なかぼちゃだった。
これは、ヤバイ!あんなのに当たったらひとたまりもない。
「みんな!とりあえず撤収じゃ!」凜が後ろを向いて叫んだ。
俺たちは再び大空へと投げ出された。




