りんけーじ282 女王の天空迷宮の第一歩
りんけーじ282 女王の天空迷宮の第一歩
「ようやく入り口にたどり着いたわね」鈴乃が上に続く階段を見上げた。
女王の天空迷宮の中は、誰もいなくなってから大分時を経ている様で、ところどころブロックが崩落していた。
「この迷宮にはいろんなところに罠が仕掛けられているから、みんな気をつけていくんやで」マリスが注意深く周囲を見回した。
「このまま階段を登って大丈夫かの?」凜が首を傾げた。
「先に進まないとですね」あかねが凜を見た。
「俺から行くよ」俺は、先頭を歩くことにした。
「頼んだわ」鈴乃が頷いた。
俺はホールを壊れたブロックをよけながら、恐る恐る階段の方に向かって一歩また一歩と進んだ。
みんなは、俺の後をついてきた。
そして階段まで、ようやくたどり着いた。
「!?」その瞬間、思いもよらぬことが起こった。
辺りが一斉に明るくなった。
俺たちは、急に明るくなったため、しばし目が見えなくなった。
「何?何?」ヴァールが目を手で隠しながら叫んだ。
明るさに目が慣れてくると、階段に明かりが灯ったのだった。
よく見ると、サファイアの様な鉱物の中で炎がゆらゆらと燃えていた。
その明かりがずらっと階段を照らしていた。
「こっちへ来い。と言うことかしら」鈴乃は、訝し気に明かりの列を見た。
「よし!じゃあ、階段を昇るか!」おれは階段を見上げた。
俺は階段に、一歩足を掛けた。
その瞬間、ガラガラという音と共に、突然ホールに青空が広がった。
「キャアー!」という悲鳴と共に、みんなの姿が見えなくなった。
ホールが崩落し、空中に投げ出されたのだった。
「ギヤー!」俺は涙と鼻水を垂れ流しながら、上に広がる青空と天空の城に向けて叫んだ。
「しまった。これが罠だったのか」俺は、落下しながら心の中で思った。
俺は空中で手をバタつかせた。しかし、それで落下が止まる訳でもない。
「このまま、死ぬのかな?」おれは刹那に考えた。
その時だった。一瞬にして落下するのが止まった。
「これは、地面に激突した」と思った。
「一瞬の出来事だったな」俺は呟いた。
「円正寺さん!?」ヴァールの声が聞こえた。
「ここは、天国か地獄か?」俺はヴァールに尋ねた。




