りんけーじ281 女王の天空迷宮の入り口
りんけーじ281 女王の天空迷宮の入り口
遠くに浮かぶ点は近づくにつれ、その姿を現した。
それは、天空に浮かぶ巨大なダイヤモンドだった。
キラキラと輝く、巨大な構造物だった。
「で、デカイの!」凜が思わず、感嘆の息をもらした。
「入口は、一番下にしかないんや」マリスが首をもたげてみんなに説明した。
マリスはい一旦上昇すると、雲を切り裂きヒュウヒュウと音を立てながら一気に下降した。
まるで、ジェットコースターに乗っている様な、体が宙に浮かんでいる感覚だった。
俺たちは、巨大なダイヤモンドの底を目指した。
「それにしても、なんて巨大な構造物なの!」鈴乃は降下しながら、構造物をまじまじと見た。
ところどころ崩れてはいたが、その威容は今も健在だった。
マリスは、巨大なダイヤモンドの側面を、尚も下降した。
やがて、前方にとんがった先が見えてきた。
「もうすぐやで」マリスは降下するスピードをグンと上げた。
胃が持ち上がるような感覚で、俺は、ちょっと気持ち悪くなった。
横を見ると、えるに乗った凜も顔が青ざめていた。
まだかまだかと、早く着くことを、胃液がこみあげてくるのを、我慢しながら待っていると、マリスの降下するスピードが緩くなった。
マリスはダイヤモンドの下方の頂点に着くと、ホバリングした。
「入口はと、ああ、あそこや」マリスはそう言うと、人が一人やっと通れるほどの穴を目指して、ゆっくりと移動した。
マリスは「ここから、一人ずつはいるんやで」と言うと、入り口に着くと、翼を橋の様に伸ばした。
俺は恐る恐る地上が遥か下に見える、翼の上渡った。
一歩一歩前に出す足が、ヒュウヒュウと鳴る風を受けて震えた。
女王の天空迷宮の入り口に入ると、中は大人が10人ほどは入れるスペースがあり、入り口反対側は階段状になっており、階段を見上げると上へ上へと伸びており、先は見えなかった。
「ヴァール!俺の手を掴んで」俺はヴァールが入り口に入るのをサポートした。
「ありがとう」ヴァールは無事に入り口に入ると俺に礼を言った。
その後も次々とみんなを引き上げた。
鈴乃は乗っている箒を、入り口に横付けすると、俺の手を握り、渡ってきた。
マリスとえるは、浮遊力を使って、入り口に入ってきた。
「これで全員だな」俺は、みんなを見回して、一安心した。




