りんけーじ280 女王の天空迷宮を目指して
りんけーじ280 女王の天空迷宮を目指して
老婆の話を聞いて俺は愕然とした。
しかし、考えてみれば、心臓の鼓動がしないこと以外、体に異変は無い。
体も今まで通り、自由に動く。
俺は、しばし考えて、現状を受け入れることにした。
「星の加護とはどのようなものなんですか?」俺は老婆に尋ねた。
「それは、お前さんが死ぬということになれば、星も死ぬことになるから、星の力でお前さんを全力で守ってくれるとういことじゃ」老婆は、俺の左胸に手を当てた。
「お前さんは、星に選ばれた者じゃからな」老婆は、俺の目をじっと見つめた。
その頃には、夜空は白み出した。
俺たちは、眠りに就いた。
ベッドの中で俺は再び、左胸に手を当てたが、やはり、鼓動は感じられなかった。
俺は、眠りに落ちた。
まだから差し込む日差しで目が覚めると、そこには鈴乃が立っていた。
「目が覚めた?そろそろ出発するわよ」鈴乃は、両手を腰に当てた。
俺はあくびをしながら頷いた。
「女王の天空迷宮を目指すわよ」鈴乃は道しるべの石を出した。そして女王の天空迷宮と石に向かってしゃべると、石は、一点を差して光り出した。
「さあ、石が行先を教えてくれるわ」鈴乃は道しるべの石を掲げた。
準備をすませた俺は、竜に乗った。
「マリス頼むぞ」俺は竜に声を掛けた。
「任せとき!」マリスは頷いた。
えるとマリスは羽ばたきを始めた。
凄い風圧が地面に起こった。
俺たちは、きらぼし亭を後にした。
竜たちは舞い上がると、あっという間に地上は小さくなった。
鈴乃は、箒の柄に道しるべの石をぶら下げて、先頭を飛んだ。その後ろに2頭の竜が従った。
「じゃあ、スピードを上げて行くわよ」鈴乃の乗った箒のスピードが上がった。
それに合わせて竜たちもグンとスピードを上げた。
俺とヴァールは振り落とされない様に(実際には、マリスの神力で振り落とされることは無いのだが)マリスを持つ手に力を込めた。
俺たちは、ヒュウウヒュウと鳴る風と雲を切り裂きながら、進んでいった。
しばらく進むと、前方の上空に点の様なものが見えてきた。
鈴乃は箒を右に旋回させると、俺たちの横へ並んだ。
そして前方の点を指さした「あれが女王の天空迷宮よ!」




