りんけーじ272 湯船を脱出
りんけーじ272 湯船を脱出
「へ~くしょん」ついにくしゃみをしてしまった。
その瞬間、俺の体は、女性化してしまった。
「ヤバイ、ヤバイ」俺は心の中で叫んだ。
俺は、膨れた胸を手で隠し、両ひざをクロスさせた。
幸い、お湯は乳白色で濁っていたため、首から下は何とか隠せた。
俺は慌ててタオルをフードのように頭にかぶった。
「冷静に考えろ」俺は思考を巡らせた。
「そうだ!くしゃみバナがくしゃみの原因なら、もう一度くしゃみが出るのを待っていればいいんだ!」と思いついた。
俺は、人々から離れ、そのまま湯船に顔だけ出して浸かっていた。
その時一人の男が近づいてきた。
「よう!兄ちゃん随分髪の毛が長いな」その男は話しかけて来た。
「はぁ」俺はできるだけ低い声で答えた。
無情にもくしゃみは出なかった。
「ロン毛ってやつかい?」その男は続けた。
「はぁ」俺は、早くその男が離れないかと思いつつ、答えた。
「それにしても、きれえな、肌してるな。まるで、女の子みでえだな」その男は俺の方をじっくりと見た。
「女子の体であることが、バレると思い俺は、ちょっとずつ、その男から遠ざかった。
しかし、その男は、にじり寄ってきて、俺の顔をまじまじとと見た。
「見れば見るほど、女の子みてぇだな」
これはもう、正体がバレると思った俺は、何とか、上り口に向かった。
「何としてもここから、出ねば」俺は必死だった。
俺はしゃがんだ状態でバシャバシャとお湯をかき分けた。
そして、上り口でタオルで体を隠すと、立ち上がった。
もうすぐ出口だ!と思った瞬間、俺は思いっきりこけてしまった。
「あっ!」と思った瞬間、時間がスローモーションに流れた。
体を隠していた、タオルが外れていくのが見えた。
「!?」その状況を見ていた人々は、一瞬固まっていた。
「ち!」誰かが叫んだ。
その言葉で凍っていた時間が動き出した。
「痴女だぁ!」人々が騒ぎ始めた。
俺は、踵を返すと、また、湯船に飛び込んだ。
そして、俺は、湯船の中に潜ると無我夢中で泳いだ。
やがて、俺はぼよんと、何か柔らかいものにぶつかった。




