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りんけーじ267 メアリー王女とアイラ

りんけーじ267 メアリー王女とアイラ


フードを被った人物が凜の前を通り過ぎようとした時だった。

えるは咄嗟に右足を出した。

フードを被った人物は凜の足に見事に引っ掛かり、前につんのめり転げまわった。

「でかしたぞ!える!」凜はえるにそう告げると、フードを被った人物のところに駆け寄った。

フードを被った人物は数人の町人によって取り押さえられていた。

「スリはコイツだな」

「フードを取れ」

町人たちは口々に叫んだ。

捕まった人物はフードを取られた

髪の毛がバサッと垂れ下がり、その奥につぶらな大きい瞳があった。

その顔は美少女だった。

「くそっ!放しやがれ」少女は尚も抵抗をつづけた。

「この盗人め!衛兵に突き出して、火あぶりの刑だ」少女を押さえつけている町人は言った。

「出た、この中世ヨーロッパ風の有無を言わさぬ、処刑方法」俺は思った。

「貧しいものから搾取している貴族から、金を取り戻しただけだ」少女は拘束を解こうとして、暴れた。

「このままじゃ、まずいな」そう思った俺は鈴乃に目配せした。

鈴乃も俺と同じことを考えていたようで頷いた。

「ちょっと、お待ちなさい」その時、群衆の中に声が響いた。

群衆は声のした方を振り向いた。

そこにいたのは、護衛に守られた、金色の髪をなびかせた、気品のある美少女だった。

「おお、メアリー様だ」

「ああ、メアリー王女様」

群衆は口々に叫んだ。

どうやらこの要塞都市の王女らしい。

「その者の話を聴こうではないか」メアリー王女は組み伏せられている少女の

ところにやってきた。

俺たちは事の成り行きを見守る事にした。

メアリーは周りの者に言って少女の拘束を解かさせた。

「お前名前は?」メアリーは尋ねた。

「…アイラ」その少女は呟いた。

「何故この様なことをしたのじゃ?」王女は尋ねた。

「…病気の母に薬を買うために」アイラは答えた。


無事手術が終わり、退院できたので、再び執筆活動を再開します。

今後も、よろしくお願いします。

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