りんけーじ26 フェルゼン・ゴリウム
りんけーじ26 フェルゼン・ゴリウム
この石碑は回避するこになり、その場を離れようとした時だった。
「は、は…、くちゅん!」と、凜がくしゃみをした。
ゴトン!と音がし、音のした方を見ると、石碑の上半分が崩れ落ちていた。
「あ…」みんな一瞬固まった。そして凜に視線が集まった。
「わ、われのせいではないぞ!い、石でできた石碑がくしゃみごときと崩れるものか!」
凛はツインテールを逆立て涙目で取り繕った。
まあ、それはそうである。
その時、ゴゴゴゴと地鳴りがした。
「ヤバイ、走れ!」俺は叫んだ!
猛ダッシュでその場所から離れると地響きと共に、地面が盛り上がり巨石が土中から
現れた。
いやそれはよく見ると、“手”であった。地面を掴むとさらに巨大な体が地下から這い上がってきた。
石の巨人は姿を現すと「グォオオオオ!!!」と咆哮した。そしてその一つ目で、辺りを見回した。
「こいつが、フェルゼン・ゴリウムか!」俺は叫んだ。
そして俺たちを見つけると、再び「グォオオオオ!!!」と雄叫びを挙げ、ズシン、ズシンと、まっしぐら突き進んできた。
「うわああ、逃げるのじゃ!」凜は、涙目になって叫んだ。
「円正寺君、ソードで一撃与えて!」鈴乃が走りながら言った。
「その隙に、呪文を唱えて撃退するから」鈴乃は杖を構えた。
「ひえええ…」と、俺は振り返りながら、怪物に向けて剣を構えた。
剣は青い炎を湛えた。30メートルの距離まで来たら放とうと咄嗟に思った。怪物が走る度に地面が揺れた。
100メートル、70メートル、50メートル…、今だ!「ゴッド・ヴィント!!」鈴乃の呪文がちょっとカッコいいと思っていたので、自分で掛け声を考えてみた。ちょっと恥ずかしいかも、とも思った。剣を振り下ろすと青い炎は閃光となり、怪物に向かって飛んで行った。
ズウウウンと音がして、怪物がグワアアアアと叫びながら後ろに倒れた。
「やったか?」俺は心の中で呟いた。
しかし、怪物は再び立ち上がった。当たりが浅かった様だ。
鈴乃が杖を構えた。「フェルゼン・クレアーティオー!」と叫び、杖を掲げた。
その瞬間、杖から凄まじい赤い雷が飛び出した。雷の電撃は、怪物に命中した!
ドッカーーーーンと、物凄い音がして、怪物はガラガラと岩の破片となって崩れ落ちて行った。