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りんけーじ258 人ならざる者

りんけーじ258 人ならざる者


お昼になると、更に混雑してきた。

「ふぇー、注文がいっぱいじゃ。何とかならんかのう」凜が愚痴をこぼした。

「これだけ、人が集まれば、人間以外の物も混ざっていそうですよね」あかねが冗談を言った。

「ほお、ええところに、気づいたな」マリスが答えた。

「人ならざる物もこの中には確かにおるな~」マリスは続けた。

「またぁ!冗談で言っただけですよ」あかねが手を振った。

「いや、冗談やあらへんで~」マリスはそう言うと辺りを見回した。

「例えば、あの女子高生」マリスはある少女を指さした。

あかねはマリスの指さした方向を見た。

そこには、何の変哲もない美少女がタピオカを飲んでいた。

「どうみても普通の女の子じゃないですか」あかねは女子高生を注視した。

「ふうん、あんたには、そう見えるんやな」マリスは目を細めた。

「わらわが、正体暴いたる」マリスはそう言うと、女子高生の方にツカツカと歩み寄って行った。

「ちょ、ちょっと、マリスさん、お客さんに悪いですよ」あかねは注意したが、マリスは女子高の前に行った。

「あんた、誰や」マリスは女子高生に尋ねた。

尋ねられた女子高生は、マリスの方を見ると「新井宿高校2年の針ヶ谷 麗奈」と答えた。

「やっぱり、女子高生じゃないですか、邪魔しちゃ悪いですよ」あかねはマリスを止めた。

「こっちの、名前を聴いているんやない。あっちの名前を聴いてるんや」マリスは尚も女子高生に詰め寄った。

「何を言ってるんだか、わからないわ」針ヶ谷 麗奈と名乗る女子高生は首を振った。

「ほぉ、あんさんがとぼけてもわらわには、わかってるんや」マリスは更に問い質した。

「しかたないわね、ほら生徒手帳」そう言うと、針ヶ谷 麗奈は生徒手帳を取り出して見せた。

そこには、新井宿高校2年H組針ヶ谷 麗奈と記載されていた。

「ほらやっぱり、し、失礼しました」あかねはそう言うと、マリスの手を引っ張って、連れ戻そうとした。

「ううん、大丈夫よ、ラノベ小説か何かの読みすぎじゃない」と針ヶ谷 麗奈は首を振った。

「ふうん、ついにボロが出たな」マリスの瞳が一瞬光った。

「マリスさんもうやめましょうよ」あかねが必死にマリスを止めた。

「新井宿高校は2年生はG組までしかないんや!」マリスは人差し指で針ヶ谷 麗奈を指さした。


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