りんけーじ249 ヤマイヌの子との闘い
りんけーじ249 ヤマイヌの子との闘い
「何、あれ!?」鈴乃はそのおぞましい姿に驚愕した。
光に照らされたそれは、巨大な犬だった。いや、かつて犬だったものだ。
体の所々肉から剥がれ落ち、骨が露出していた。
顔も半分白骨化しており、眼だけが異様に光り輝いていた。
「まるで、ゾンビ犬じゃな」凜がその姿を見て呟いた。
「グルルル・・・」ヤマイヌの子が唸った。
そして、俺の方に向かって飛び掛かってきた。
俺は咄嗟に剣を抜いた。
「フルグル!」俺は叫んだ。
剣から生じた青い稲妻が、バリバリと闇を切り裂き、ヤマイヌの子に命中した。
ドドーンと地響きが鳴り渡り、辺りは白煙に包まれ、焦げ臭いにおいが立ち込めた。
「倒しましたか?」あかねが鈴乃の杖によって照らされた白煙を凝視した。
一瞬静寂が広がった。
「危ない!」ヴァールが叫んだ。
白煙の中からヤマイヌの子が飛び出してきた。
俺は後ろに飛び退くと、何とかヤマイヌの子の牙を剣で跳ね返した。
ヤマイヌの子は体勢を整えるとさらに飛びかかってきた。
俺は激しい攻撃を剣で打ち返しながら、しのいだ。
「鈴乃なんとかしてくれ」俺は鈴乃に助けを求めた。
「どうやら、半死半生のヤマイヌの子には、通常の攻撃は無効のようね」鈴乃が分析した。
「マリス、あなた一応神よね?」鈴乃がマリスに確認した。
「一応とはなんや!信者も何十万人もいるれっきとした竜神やぞ!りゅ・う・じ・ん!」マリスは膨れた。
「それなら、あんたの、聖なる力で、ヤマイヌの子を浄化できないかしら?」鈴乃はマリスに説明した。
「ふ~ん」マリスは少し考えた。
「まあ、やってみるか」マリスはヤレヤレと言った感じで頭を搔いた。
「おい!お前、相手はこのマリス様やぞ」マリスはヤマイヌの子に手招きをした。
ヤマイヌの子はマリスの挑発に乗り、攻撃の照準をマリスに合わせた。
マリスも身構えた。
ヤマイヌの子はジリジリとマリスとの間合いを詰めた。そして、後ろ足を踏ん張ると、マリス目掛けて飛び掛かった。
マリスは片手を上げた。
マリス上げた片手をヤマイヌの子目掛けて振り下ろした。
「ゴッド・ブレス!」その瞬間、マリスは叫んだ。




