りんけーじ241 ウンディーネ
りんけーじ241 ウンディーネ
それは、ギガ・キラー・ビーの大きな頭だった。
頭部を失ったギガ・キラー・ビーはショートしながら、自分の頭部を前足で拾い上げようとして、もがいていた。
やがて、ギガ・キラー・ビーは、機能を停止すると、ズズズーンと地面に倒れこんで動かなくなった。
「ヤバイ!爆発するぞ!みんな逃げろ」俺は叫んだ。
「デーフェンシーオ!」あかねが両腕を上げた。
ギガ・キラー・ビーは、ドオォォンと言うものすごい爆音と共に吹き飛んだ。
俺たちは、間一髪のところ、あかねのシールドで守られた。
バラバラと破片となったギガ・キラー・ビーが落ちてきた。
「ありがとう、あかねちゃん」鈴乃が礼を言った。
あかねは、首を縦に振ると、にっこり微笑んだ。
「ギガ・キラー・ビーなかなかの強敵じゃったのう」凜はギガ・キラー・ビーの破片を見ていた。
「これで、わたしたちの経験値も上がったでしょう」鈴乃はほっとしていた。
「ヴァールの精霊の威力もわかったわ」鈴乃がヴァールの方を見た。
「そうですね」ヴァールは、サラマンダーを帰還させた。
俺たちは先に進むことにした。
森を進むと急に開けた砂漠地帯に出た。
「一見平らに見えるけど、かなり凸凹してますね」あかねが歩きながら言った。砂漠は、砂丘でかなり起伏に富んでいた。
「それにしても、暑いのう」凜は額に滴る汗を左手で拭った。
砂漠地帯に出たとたん、干上がる様な強烈な暑さで皆喉の渇きを覚えた。
「それなら、わたしに、任せてください!」ヴァールはそう言うと、「ウンディーネ!」と叫び水の精霊を呼び出した。
ウンディーネは長髪の美しい女性の姿で現れた。
「ウンディーネ、アクア!」ヴァールが命じると、
ウンディーネは、胸の前で手をお椀のように合わせた。
すると、合わせた手からこんこんと清水が湧き始めた。
そして、ウンディーネの指先から滴り落ちた。
「さあ皆さん、飲んでください」ヴァールが声を掛けた。
「じゃあ、先にいただくぞ」凜はフラフラしながらウンディーネのもとまで行った。
そして、ウンディーネの指先から滴る水をゴクゴクと飲み始めた。
「ひゃー冷たい!」凜が叫び声を上げた。
「そしてうまい水じゃ」凜は頭から水を被った。




