りんけーじ24 新たな仲間・凜
りんけーじ24 新たな仲間・凜
俺は頷き「あの、何か用ですか?」とその少女に尋ねてみた。
すると少女は左手(怪我をいているのか包帯を巻いている)を顔に添えポーズを取り、「われは闇の大魔王の、逃れられぬ宿命を背負い、その眷族である黒猫より、にの地に導かれし者。現世での仮の名は、2年A組の明花 凛と言う。凛で良いぞ」その少女は答えた。
「は?」俺は躊躇した。
「じゃから、われは…」とその少女は再び説明し始めた。
こ、これは…ちゅ、中二病!しかも女高生で!?俺は心の中で叫んだ。
「喜べ、われは、黒猫のミーの導きで、異世界探検部に入部してやると、参ったのじゃ!そなたの名前を聴こう」
「お、俺は、2年B組の円正寺康太。もうすぐ部長の大谷鈴乃が来るから、部長に言ってくれ」と俺は答えた。
「ふむ、部長の鈴乃とやらに、言えば良いのじゃな?では、暫し待つことにしよう」凜はツインテールを水の様に、ひらりとなびかせた。その瞬間、花の香の様な、いい匂いがした。
「明花さんも、ミーから指輪を?」凜に話しかけてみた。
「凛じゃ。凜と呼べ」ちょっと吊り上がった目をこちらに向けた。
「じゃ凛さんも、指輪を持っているの?」俺は言い直した。
「凜じゃ!」凜は目を閉じ、への字口になり、ちょっとだけ、ぷくっとほおを膨らました。
「じゃあ凛も、指輪を持っているの?」俺は席を立ち、コポポ…と、お茶を入れた。
「うむ!」凛は頷き、指輪を付けた中指に付けた指輪を見せた。
指輪は金色の縁取りに、紫の宝石が埋め込まれている。なんか中二病っぽい…。
「はい、どうぞ」俺は入れたお茶を凜に出した。
「ありがと」凜はお茶を手に取るとふーっ、ふーっと、ほっぺたを膨らましつつ冷まし始めた。猫舌らしい。
凜は、暫く湯呑をふーふーし、冷めたのかお茶を啜った。
俺もお茶を飲んだ「――で、凜はもう一つの世界にはもう行ったのか?」。
凜はニーソの足を組んだ「もう行っておれば、ここには来ておらん。異世界などと言うものは、脳内またはアニメ、ゲーム、ラノベの類のものじゃ。ま、最強のわれに力をもってすれば、何ということはないがな」。
凜の格好と、言っている事に矛盾を感じるとおもいつつ、俺は目を閉じた「ふーん、俺たちはもうひとつの世界で魔獣と戦って、2度死にかけたけどな」。
ガタッと音がしたので、凜の方を見ると凜が椅子から滑り落ちていた。心なしか凜の顔色が悪い。
その時、カラララ…と、音がして部室の扉が開いた。
「あら、円正寺君、先に来ていたのね」鈴乃が入ってきた、凜の方のちらっと見て再び俺を見た「そちらは?」。
凜は、左手を顔に置いてポーズを取り「われは闇の大魔王の、逃れられぬ宿命を背負い、その眷族である黒猫より、この地に導かれし者。現世での仮の名は、2年A組の明花 凛と言う。凛で良いぞ」と、俺にしたときと同じ自己紹介をした。
鈴乃は、「ふ~ん。わたしは、2年α組の大谷鈴乃よろしくね」と返した。
「と、言うことで入部希望らしいぞ」俺は鈴乃と凜を交互見た。
鈴乃は入部希望届を取り出し「じゃここに名前を書いて」と、凜に渡した。
凜は名前を書いて凜に渡した「これから、よろしく頼むぞ」。
「よろしくね、明花さん」鈴乃は凜に微笑んだ。
「凜じゃ!われも、そなたをを鈴乃と呼ぶ!」凜はちょっと頬を膨らました。
「じゃあ、凜はもう一つの世界に行ったことは?」鈴乃は凜の入部届に目をやった。
凛は首を横に振った。
「そう。じゃあ、これから異世界デビューね」鈴乃が凜に微笑んだ。
その瞬間、心なしか凜のツインテールが逆立った様な気がした。
鈴乃も二人が、お茶を飲んでいるのを見てお茶を入れた。
カララ…、ドアが開きあかねがぴょこぴょこと入ってきた「こんにちは~、掃除当番で遅くなりました~」。
鈴乃は凜にあかねもを紹介した。
あかねは凜にペコリとお辞儀した「よろしくお願いしますっ、凜さん」。
「うむ。あかね、よろしく頼むぞ」凜は頬を赤らめながら頷いた。
その後、凜はあかねに自分の世界観―――例の闇の大魔王の件を話していた。
あかねは、凜の中二病っぽい立ち居振る舞いが気に入ったらしく、聞き入っていた。
「凜は、何のアイテムを持つ?」鈴乃はロッカーの方に行きそれぞれのアイテムを取り出した。「攻撃魔法の杖、円正寺君は剣、あかねちゃんは、回復のブレスレットだけど」
「そうだなー、弓矢の射手がいいんじゃないかな?」俺は凜に言った。
「そうね、凜はどう?」鈴乃が凜の方向いて問いかけた。
「ふーむ、中学でアーチェリーをちょっと齧ったことはあるが」凜は手を合わせてモジモジした。
「経験があるなら!いいですねっ!凜さん!!」あかねが微笑んだ。
「じゃあ、凜の弓をゲットすることを目標に今日の探検を進めましょう!みんな指輪の準備はいい?」と言うと、鈴乃は自分の指輪を取り出した。
指輪を床に投げると、赤い光との渦に包み込まれると、もう一つの世界に入った。