りんけーじ238 ギガ・キラー・ビー
りんけーじ238 ギガ・キラー・ビー
えるに乗った凜が上空を飛んでいる。
俺たちは、次のターゲットを探すべく、大きな葉をかき分けながら、地面を歩いた。
しばらく進むと、何やら前方から、低く唸るような音が聞こえてきた。
「どうやら、お見えになったようね!」鈴乃が杖を握りなおした。
すると、前方から大きな蜂が飛んできた。
「むむ、ギガ・キラー・ビーやな」マリスが説明した。
「蜂はその複眼も怖いし、牙も怖い。体も黄色と黒の警戒色で、とどめは、尻の毒針や!」マリスは身震いしながら説明した。
「近づかん方が身のためや」
「でも、今回は、私たちを強化するための、特訓よ!強敵こそ闘うべきよ!」鈴乃は、鼻からフフンと息を吐いた。
「マリス、ギガ・キラー・ビーの弱点は何なの?」鈴乃はマリスに質問した。
「いくら、モンスターといえども、所詮昆虫や。氷属性の魔法を使えば、動きが鈍くなって、炎属性の魔法でイチコロや!」マリスは答えた。
「わかったわ。今回は、わたしとヴァールで闘ってみましょう」と鈴乃が言った。
「鈴乃さんの氷魔法と、私のサラマンダー(火の精霊)で闘うと」ヴァールは鈴乃に返した。
鈴乃は首を縦に振った。
「えるの、ドラゴンの炎攻撃でもいいと思うけど、今回は、精霊の力を見てみたいの」鈴乃はヴァールの肩にポンと手を置いた。
「わかりました!」ヴァールは、キュッと手を握った。
鈴乃とヴァールで作戦会議を行った。
「それじゃあ、行くわよ!」鈴乃が飛び出した。
「蜂さんおいで、手の鳴る方へ!」鈴乃は、パンパンと手をたたいて気を引いた。
獲物を見つけた、ギガ・キラー・ビーはカチカチと牙を鳴らすと、尻の毒針を突き出し攻撃態勢に入った。
その隙に、ヴァールはくるっと蜂の背後に回り込んだ。
ギガ・キラー・ビーは鈍い羽音を立てながら、鈴乃に迫っていった。
鈴乃は、クルクルと杖を回しながら横向き走り出した。
キラー・ビーは毒針から毒液を発射した。
「おっと!」鈴乃はフェイントをかけて毒液をかわした。
毒液は鈴乃から外れて大きな葉にかかった。
毒液のかかった葉は、シュウシュウと音を立てながら溶けて行った。
「ふう、危ない、危ない」鈴乃は、額から流れる汗をぬぐった。
「じゃあ、次はこっちから攻撃よ!」鈴乃は杖を振り上げた。




