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りんけーじ234 怪しげなくぼ地

りんけーじ234 怪しげなくぼ地


 俺たちは、森を抜けるべく前進した。

しばらく進むと開けた下り坂に出た。

そこには、草木は一本も生えておらず、土がむき出しになっていた。

「ひゃー」と言って、あかねがしりもちをついた。

斜面で滑って転んだようだ。

「気を付けて、あかねちゃん」鈴乃があかねに声を掛けた。

「あいたたた、わかりました」あかねは腰をさすった。

「しかし、妙な地面じゃのう」凜は靴で地面をこすりながら、感触を確認した。

「確かに、最近誰かに掘り起こされたような」ヴァールが答えた。

言われてみれば、表面の土が湿っていた。

「けったいな場所やで」マリスは、身震いした。

俺は何故か悪寒を感じて身震いした。

「この森を抜けるには、ここを直進するか、縁に沿って遠回りするしかなさそうね」鈴乃は周囲を見渡した。

この場所は、すり鉢状になっており、反対側に行くには、最短ルートは中央のくぼ地をまで降りて、登っていくか、遠回りであるが、迂回していくしかない。

「でもこんなところに急に開けた場所があるなんて、いかにも怪しそうですよね」あかねが答えた。

「しかし、うかうかしてるとヤツがいつ襲って来るともわからんしのう」凜は腕組みした。

「わかったわ。多数決を取りましょう」鈴乃はみんなに言った。

みんなうなずいた。

こんなの、「迂回する」の一択じゃないか!とおれは心の中で念じた。

「では、多数決を取ります」鈴乃はみんなの方を見た。

「直進する方がいい人」

凜、える、マリスが手を上げた。ドラゴン組は強気だった。

「次は、迂回する方がいい人」

俺、あかね、ヴァールが手を上げた。

「同票ね」鈴が顎に右手を添えた。

「それじゃ、わたしが一票いれるわ」鈴乃が言った。

俺は、心の中で、鈴乃が迂回ルートを選択してくれるよう祈った。

「わたしは」鈴乃は口を開いた。

俺は、心の中で迂回ルートを選んでくれと願った。

「わたしは、直進コースを選ぶわ」鈴乃は、きっぱりと言った。

ええええ!俺は心の中で、泣いた。



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