りんけーじ233 森の中で休憩
りんけーじ233 森の中で休憩
俺たちは森の中を進んでいった。
俺は、ヤツに合わないことを願っていた。
「バナコンダは気持ち悪いですね」あかねが鈴乃に話しかけた。
「そうね、あんな巨大で鱗がてかてか黒光りして、おまけに蛍光グリーン模様が入っていて」鈴乃が答えた。
「あれで、シューシュー言いながら、二つに分かれた舌を口から出し入れして」あかねはぞわぞわするものを感じていた。
「あの、独特の生臭さも嫌ですね」ヴァールも話に加わった。
「どうも、ヘビは苦手じゃな」凜もみんなの話を聞いていて気持ち悪くなったようだった。
「み、みんな、ヤツの話ばかりしなくてもいいんじゃないか!」俺は、勇気を振り絞って言った。
「こういうのを、フラグって言うんだぜ」俺は続けた。
しばらく進むと、藪の木陰がガサガサと動いた。
「バナコンダ!?」誰もが息をのんだ。
すると、突然ギャーギャーと鳴き声した。
「ひえっ!」と俺はしりもちもついた。
藪の中から鳥が飛び出し飛んで行った。
「な、なんだ、鳥か驚かせやがって」俺は、ほっとすると、立ち上がろうとした。
しかし腰が抜けて立ち上がれなかった。
「どうしたの?円正寺君!?」鈴乃が振り返った。
「いや、あの、その」俺は必死に考えた。
「そ、そうだ!ほら!ここらで休憩したらどうかなぁって思って、ずっと歩き通しだし、ここらで、ちょっと休んだ方がいいんじゃないかと思って」
「あら、まだそれほどつかれていないけど。みんなはどう?」鈴乃は尋ねた。
「そう言えば、そろそろ休憩したいかなと思って」ヴァールが俺にウインクしながら答えた。
ヴァールは、俺の一連の流れを見ていて気を利かせてくれたのだった。
「ヴァールもこう言っていることだし、少し休憩しよう」と俺は鈴乃に言った。
「ありがとう、ヴァール」と俺は心の中でつぶやいていた。
「早く森は抜けたいところだけど、そう言うのなら、少し休む事にしましょうか?」鈴乃も同意した。
しばらくすると、俺も立ち上がれる様になった。
どうやら、俺はヘビが苦手だったらしい。
みんなの話を聞いていて実感した。




