りんけーじ232 作戦
りんけーじ232 作戦
「えるとマリスはもう少し休まないと飛ぶのは、無理ね」鈴乃は火山弾を翼に浴びたため傷ついている、えるとマリスを見た。
「面目ありません」えるはしゅんとなった。
「いえ、あなたたちがいたから、火山の噴火から逃れられたのよ」鈴乃はえるたちに礼を言った。
「でもここにいたら、バナコンダの餌食や。少しでも遠くに逃げんとな」マリスは湖の反対側に生い茂る森を見回した。
「森も、ヤツのテリトリーや!何とか森を抜け出さんとな」マリスは空を見上げた。
「上から地形を把握しましょう。ちょっと、飛んでくるわ」鈴乃はそう言うと、「ジェネーチェ!」と叫んで、箒を魔法で取り出し、跨った。
「よしっ!サルジ!」鈴乃の掛け声と共に箒をゆっくりと上昇していった。
鈴乃は上空に出ると、周囲を見渡した。
湖の回りには森が広がり、森を抜けると草原が広がっていた。
「うん、なんとか森を抜ければ、アイツからは逃げられそうね」鈴乃は確認して、みんながいる湖のほとりに降り立った。
鈴乃は皆に地形の事を話した。
「じゃあ、草原まで抜ければ、大蛇から逃れられるんですね」あかねがマリスの方を見た。
「せやな。アイツは森を出られへん」マリスは頷いた。
「でも、途中で待ち伏せされたら、どうするんじゃ?」凜が尋ねた。
マリスは頷いてから口を開いた「その時は、戦わんとな」
「勝機はあるのか?」凜がえるとマリスの方を見た。
「ヤツは、電撃が苦手や。円正寺はんは、剣から雷が出せるやろ?」マリスは俺に尋ねた。
「!?」えっ?俺?俺は動揺した。
「円正寺はんにわらわたちの命がかかってるんや!」マリスは俺の肩をぎゅっと握りしめた。
「円正寺はんにヤツを向かわせて、雷撃を当てれば一撃や!」
「あ、ああ!任せとけ」俺は背中に背負っている剣の柄を握りしめた。その手は震えていた。
「わかったわ。いざという時は頼んだわ、円正寺君」鈴乃が俺をじっと見つめた。
「ここにいても、いつヤツが襲って来るとは限らないわ!さあ、出発しましょう」鈴乃が皆に声を掛けた。
「べ、別にヤツが襲って来るとは決まったワケじゃないし!うまく森を抜ければいいワケだし!たかがヘビなんか怖くないし!あんな巨大なヘビ…!」俺は心の中でヤツと遭遇しない事を願っていた。




