りんけーじ225 開けた土地
りんけーじ225 開けた土地
アラクナと別れを告げた俺たちは森をさらに先に進んだ。
「相変わらず、瘴気が高い場所だな」俺たちは、魔素による魔物の気配を感じていた。
「うわっ!なんじゃ」凜が顔を腕でかばった。
突然横の木々の間から、何かが飛び出してきた。
バサバサと羽音を立て、ギャーギャーと鳴きながら飛び去って行った。
それは、頭の三つある鳥だった。
「なんじゃ、鳥か!」凜は、ほっと胸をなでおろした。
「びっくりさせおって」と言いつつ、凜はえるにぎゅっとしがみついた。
うっそうと茂る木々に、視界を遮られながらも、俺たちは前に進んだ。
と、急に俺たちは開けた場所に出た。
「何?ここは」鈴乃が辺りを見回した。
周囲300メートルほど、円形に木々がなぎ倒され、ポッカリと空が見えた。
「空が見えると少し安心しますね」あかねがう~んと言いながら伸びをした。
「ここで少し休もう」俺たちは、そのまま、広場のど真ん中で休憩をとることにした。
ここからは、見晴らしよく遠くに鳥が飛んでいるのが見えた。
「おっ!鳥がとんでおるの。さっきの鳥か?」凜が指さした。
はるか遠く地平線の方を、その鳥は最初、俺たちと水平方向に飛んでいたが、輪を描くとこちらに方向を変えた。
「アラクナとの闘いはいろいろと、レベルアップになったわね」鈴乃が嬉しそうに杖を掲げて見せた。
杖の水晶がキラキラと輝いていた。
「うむ、われも、ドラゴンマスターとして、えるとの息が合ってきた気がする!のう、える」凜が嬉しそうにえるの方を見た。
「はい、ますたー」えるはほほ笑み返した。
「ヴァールも精霊がうまく使えるようになってきたんじゃないか?」俺はヴァール言った。
「えへへへ、そうですか嬉しいです」ヴァールはちょっとほおを赤らめながら答えた。
「ううう…今回は、出番がなかった」あかねが悲しそうにつぶやいた。
「いつも、あかねちゃんのディフェンスがあるから、私たちも思い切って戦えるのよ」
鈴乃はあかねの肩をポンと叩いた。
「そうですか?そう言っていただけると嬉しいです!」あかねは、ニコッと笑った。
地平線の方を見ると、さっき飛んでいた鳥が、徐々にこちらに、近づいてきているのが見えたが、何かがおかしい。
「なんだあの鳥?」俺は近づいてくる鳥を見て思わず叫んだ。
それは、とてつもない大きな鳥だった。
「ここは、ひょっとしてあの鳥の狩場?」鈴乃は嫌な予感を口にした。
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