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りんけーじ220 人形

りんけーじ220 人形


「ここの魔物はあなどれないのう」凜が辺りを見回した。

「よく、頭が吹っ飛ばなかったな!」俺は鈴乃に尋ねた。

「サンクタ・ルクス」は邪悪なものにしか効果はないのよ」鈴乃は答えた。

鈴乃の機嫌が治ったので、とりあえず先に進む。

「修行よ!修行、頑張るわよ!」鈴乃はてくてく先頭を歩いた。

しばらく進むと、薄気味の悪い谷に出た。

「いかにも、魔物の雰囲気があふれている谷ね」鈴乃は周りを見回した。

「薄気味悪い谷ですね」あかねが同意した。

「警戒して進もう!」俺は拳を握りしめた。

確かに、瘴気にあふれている谷だ。

それは、突然現れた。

「あれは、何じゃ?」凜が一点を指さした。

倒れた木の根元に何故か人形がポツンと座っていた。

それは、古い少女の西洋人形で、目を寂しげにこちらに向けていた。

「に、人形?なんでこんなところに?」ヴァールは恐る恐る人形に近づいた。

「ちょっと、待ってヴァール!」鈴乃がヴァールを制した。

「こんなところに、人形なんて明らかにおかしいでしょ!」鈴乃は続けた。

「明らかに魔物よ!そうに違いないわ!」

「魔物とあらば、粉砕するのみ!のうえる!」凜がえるに同意を求めた。

「はい、ますたー」えるはそう答えると凛と一緒に人形目掛けて突進していった。

「ちょ、ちょっと待て!凜、える」俺は必死に止めたが、二人は聞かずに進んでいった。

「とおりゃー!フランマ・ドラコニス!」凜はえるに命じた。

えるは、人形目掛けて、口から炎を吹いた。

えるの吐いた炎は、人形を包んでいった。

「何じゃ他愛ないのう」凜は、燃え上がる人形を見て言った。

しばらくすると、炎は消えた。

「な、何じゃと?」凜が叫び声を上げた。

人形はそのままの姿だった。

燃え上がり、灰になったと思っていた人形は、最初に見た時と同じように、寂し気に座っていた。

「…」人形の口が突然開いた。

「面妖な」凜は思わず自分の口を押えた。

「…どいわ」人形の声はだんだん大きくなっていった。

俺たちは、後ずさりした。

「ひどいわ」人形の声は徐々大きくなっていった。


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