りんけーじ219 デス・スライム
りんけーじ219 デス・スライム
すばしっこいスライムは鈴乃の頭に飛び付いた。
「気持ち悪い!気持ち悪いんだけど!」まるで金魚鉢を頭からかぶったようになった。
俺は鈴乃に駆け寄り、剣を抜くと鈴乃の頭のスライムを切ろうとした。
だが、スライムは、巧妙に剣をよけた。
「ふははは、俺は、デス・スライムだ!この女の思考はのっとった」と鈴乃は言い出した。
「あ~あ、鈴乃さん、思考回路が乗っ取られちゃったよ!」俺は心の中でつぶやいた。
「な、何を、言ってるの!私は私よ!デス・スライムって何よ!?」鈴乃は叫んだ。
まだ頭の中でデス・スライムと戦っているらしい。
「う、うるさい俺に、早く思考を乗っ取らせろ」デス・スライムが鈴乃に向かって叫ぶ。
「だから、あんたの好きにさせないって言ってるじゃない!」鈴乃がデス・スライムに向かって叫んだ。
「ほう、この女だいぶ魔法を心得ていると見える」鈴乃の中のデス・スライムがつぶやいた。
「何とかコイツ取れないかしら!?」鈴乃はデス・スライムをはがそうとしたが、はがれなかった。
「ちなみにあの、ぼやっとしている、どこにでもいそうな男を倒してみようではないか」デス・スライムが笑った。
「ぼやっとしている、どこにでもいそうな男で悪かったな!」俺は、剣を身構えた。
「あんたのやりたい様にはやらせないわ」鈴乃は、デス・スライムの動きを阻止している様だった。
「では、インペトゥム・マジカエ!」デス・スライムは杖を振った。
そうは、させじと、鈴乃は空に向かって杖を振った。
「やめろ!手元が狂うではないか」デス・スライムが叫んだ。
二人のやりとりがしばらく続き、そのたびに鈴乃の魔法はあらぬ方向に繰り出された。
「よしっ!こうなったら!」鈴乃は叫んだ。
「サンクタ・ルクス!」鈴乃は自分の頭目掛けて、杖を振った。
魔法はデス・スライムに当たった。
デス・スライムは飛び散って鈴乃に降り注いだ。
鈴乃は震えていた。
「鈴乃、大丈夫か?」俺は鈴乃に駆け寄った。
「嫌なんだけど!スライムのどろどろまみれなんだけど!」
鈴乃はスライムでベタベタになっていた事に嫌悪感を抱いて震えていた。
「ここのスライムは、すばしっこいですね」あかねが、浄化魔法で鈴乃のスライムを落としながら言った。
「あかねちゃん、ありがとうおかげで、きれいになったわ」鈴乃はきれいになった。
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