りんけーじ218 修行
りんけーじ218 修行
そんな訳で俺たちは、フィナに別れを告げた。
この町の将来もフィナがいれば安泰だろう。
鈴乃は、今回の戦いで、自分の魔法が未熟さを痛感したため、魔法の修行をしたいと、言い出した。
俺たちも、修行に付き合うことになった。
修行の場所は北の外れの森が選ばれた。
そこにはゴブリンやオークなどの魔物が多数生息しているとのことだった。
「さあ、修行を兼ねた、魔物退治に行くわよ!」鈴乃は張り切っていた。
「私も、防御魔法をもっと強力にしたいです」あかねも同意した。
「われは、えるに乗りこなすのを、もっと上手になりたいのう」凜がえるの方を見た。
「はい、ますたー」えるはうれしそうにほほ笑んだ。
「私は、精霊たちをもっと上手に扱えるようになりたいです」ヴァールは、くるくるっと指を振った。
「わらわは、神やさかい、今さら修行することもないんやけどな」マリスは修行に付き合ってくれる様だ。
「俺も、この剣を上手く使える様になりたいな」俺は剣を抜くとひと振りした。
俺たちは、えるとマリスに乗り、北の外れの森に向かった。
森に着くと、そこは魔素に覆われた。紫色の不気味な木々が生い茂っていた。
「薄気味悪い森ね」鈴乃はあたりを見回した。
「そうですね、いかにも魔物がいそうな雰囲気がします」あかねはぶるっと震えた。
「わ、われは、この邪悪に満ちた気配嫌いではないぞ」凜はえるに隠れながら言った。
「なーに強がり言ってるんだよ」俺はえるにしがみついている凜につっこんだ。
「それにしても、どこから、魔物が出てきてもおかしくなさそうですね」ヴァールも森の不気味さをひしひしと感じている様だった。
確かに、この森には、邪悪な魔素が充満している。
「じゃあ、森の中を進んで行きましょう」鈴乃がリードした。
「さあいくで」マリスが後に続いた。
しばらく森を進むとスライムがあらわれた。
「あっ!スライム!」あかねが叫んだ。
「まずは、小手調べにっと」鈴乃は魔法の杖を構えると呪文を唱えた「サンクタ・ルクス!」
すると杖の先端が光り、スライム目掛けてその光が飛んで行った。
スライムはすばやく、その光をよけた。
「案外、すばしっこいわね」鈴乃は、更に攻撃を続けた「サンクタ・ルクス!」
スライムはささっと再びかわすと鈴乃目掛けて飛んで行った。
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