りんけーじ215 もう一人のフィナ
りんけーじ215 もう一人のフィナ
「一つ目の鍵はイシュペルが持っていたのじゃから、もう一つはアゴールが持っておるのじゃな」凜は、静まり返ったアゴールの方を見た。
「さっきマリスがやったみたいにすれば、鍵が落ちてくるのかしら?」鈴乃はそう言うと、アゴールの足をコンコンと叩いてみた。
すると鍵が、アゴールから、ガチャリと落ちてきた。
鈴乃は鍵を拾うと、2つ目の鍵穴に差し込んでみた。
すると鍵はカチャッと音がして回転した。
「これで、鍵は開いたのじゃ」凜はそう言うと、扉を押してみた。
「う~む。ビクともせんのう」巨大な扉は、動かなかった。
「よしっ!みんなで押してみよう!」俺はみんなに声を掛けた。
「せーのっ!」みんなで扉を押してみると、ゴゴゴゴと言う音と共に、扉は開き始めた。
扉の隙間からは光があふれてきた。
「うわっ!何でしょう?」あかねは、まぶしそうに目を細めた。
扉が開くと、みんな明るさに目が慣れてきた。
するとそこには、2メートルほどの大きさのカプセルがあった。
「おお、中に何か入っとるで!」マリスはカプセルに駆け寄った。
「あっ!」ヴァールが声を上げた。
カプセルの中には、少女が眠っていた。
その少女はフィナだった。
「これが、超古代文明の遺産…」鈴乃は驚き、感動した。
こっちのフィナのボディパーツはどれくらい前からここに横たわっているのだろう。
俺は、悠久の古代文明に思いをはせた。
俺たちが、あっけに取られていると、プシュウーと音がして、煙と共にカプセルが開いた。
カプセルからは電子音がした。
「フィナ!」俺はフィナに声を掛けた。
すると、フィナの額にICチップの挿入口が現れた。
それ以外フィナはピクリとも動かなかった。
「鈴乃、ICチップを差し込んで」俺は鈴乃に言った。
「わかったわ!」鈴乃は頷くと、ICチップを取り出し、フィナの額に差し込んだ。
フィナの額が閉じると、フィナの体が明滅し始めた。
ICチップをローディングしているようだ。
「ふぇええ」あかねはあっけに取られていた。
しばらくすると、明滅は治まった。
辺りは再び静寂に包まれた。
みんなが、見守っていると、フィナの目元がピクリと動いた。
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