りんけーじ214 扉の鍵
りんけーじ214 扉の鍵
辺りは、しんと静寂に包まれた。
「・・・どうなったのかしら?」鈴乃は、周囲を見回した。
イシュペルとアゴールは、その場に何年もいたように、動きを完全に止めていた。
光が当たったことで、何らかの制御システムが働いたらしい。
「ふう、ようやくでかブツが止まったようじゃな」凜は胸をなでおろした。
「あそこを見てください」あかねが、指さした方を見ると、イシュペルとアゴールが立ちはだかっていた、その先に大きな扉があった。
「よし!奥に進もう」俺たちは扉に向かって進んだ。
俺は扉を押してみたが、施錠されており、ビクともしなかった。
扉には鍵穴らしきものが上下2つあった。
「鍵がないと開かないみたいだな」俺は周りをキョロキョロと見まわした。
しかし、鍵らしきものは見当たらなかった。
「手分けして鍵を探しましょう」鈴乃がみんなに声を掛けた。
みんなでいろいろ探し回ってみたが、それらしき物は見当たらなかった。
「これは、何でしょう?」それはあかねが、扉の床の砂を払った時だった。
砂の下から碑文の様なものが現れた。
「ちょっと訳してみましょう!」そう言うと鈴乃は魔法の杖を振った。
「カーネ・トランスレイト!」鈴乃が呪文を唱えると、碑文から日本語で文字が浮き出てきた。
「この扉…を開ける…時、守り人を…叩いて…その…鍵の在りかを尋ねて…みよ」鈴乃が声を上げて読み上げた。
―――「ほんとに、もう動かないのかしら?」ヴァールとマリスはイシュペルとアゴールを、まじまじと見上げていた。
「せやなー、しばらくは、動かへんのやろな」マリスはコンコンとイシュペルをたたいた。その瞬間イシュペルからガチャンと音を立て何かが落ちた。
「ウギャー!」とマリスは声を上げると、その場から飛び退き、ヴァールに飛びついた。
しかし、それ以上は、何も起こらなかった。
「なんじゃ?」落ちたもの凜が恐る恐る拾い上げると、それは、鍵の様だった。
「ちょっと、あなたたち、こっちで謎解きをやっているときに、なにやっちゃってくれるの?」鈴乃がプンスカ怒っていた。
「エヘヘ、えろうすんまへんな」マリスはぺろっと舌を出した。
「ふうむ。この鍵を入れれば開くのかのう?」凜は、上の鍵穴に鍵を差し込んで回してみた。
するとガチャリと音がして鍵が1回転した。
凜は、上の鍵穴から鍵を抜くと、下の鍵穴にも差し込んでみた。
だが、下の鍵穴は回らなかった。
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