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りんけーじ207 戦いの終わり

りんけーじ207 戦いの終わり


フィナが停止すると同時に、ヴァルドアの妹クラウディアは、ほほ笑みを浮かべながら消えていった。

シュラの両親もシュラを抱擁しながら消滅した。

ヴァルドアとシュラには懐かしい温もりだけが残った。

「自分のために生きる…」ヴァルドアとシュラはそう言うとそれぞれ自分の拳を握りしめた。

「この戦いを終結させよう」ヴァルドアとシュラはどちらともなく、一人で使者として、敵陣を目指した。

やがて二人は対峙した。

お互い初対面だった。

「我が名はヴァルドア。ボルディア帝国軍の、騎士団長を務める者である」ヴァルドアがそう言うと、シュラも「私は、シュラ。ガルニ王国軍の司令官だ」と答えた。

「私は、この愚かな戦を終わらせるためにここに参った」ヴァルドアは頭を下げた。

「私も、同様の考えじゃ」シュラも首を垂れた。

「同じ考えとあれば、剣を引こうではないか」ヴァルドアはそう言うと自分の剣をシュラに差し出した。

シュラはほほ笑むと「同じく」と言って、自らの剣をヴァルドアに差し出した。

お互いの剣を交換すると、ヴァルドアとシュラは抱擁を交わした。

「この戦い終わらせようぞ!」ヴァルドアがそう言うとシュラは「うむ」と首を縦に振った。

二人は離れると、踵を返し、各々の軍に戻ると、「全軍撤退!」と号令を出し、それぞれの軍は引き上げて行った。

「戦争が終わる!」俺は、フィナのもとにマリスを舞い降りさせた。

「フィナ!」おれはフィナのもとに駆け寄るとボロボロになったフィナを抱き上げた。

完全に活動を呈したフィナの瞳に輝きはなかった。

「フィナ…」俺は思わず両目から大粒の涙をあふれさせた。

「戦争は終わったよ。この町に平和が訪れたんだよ…」俺は動かなくなったフィナに語り掛けた。

フィナは何も語らない。

ただその顔は光の加減でほほ笑んでいる様にも見えた。

鈴乃も泣いている様だった。

他のメンバーからもあちこちからすすり泣く声が聞こえた。

俺はフィナを抱きしめた。

 その時、一陣のつむじ風が起こった。

風がやむと、そこには黒猫のミーがいた。


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