りんけーじ202 ガルニ王国とボルディア帝国
りんけーじ202 ガルニ王国とボルディア帝国
「ここではガルニ王国とボルディア帝国が長い間戦争を行っています。その主戦場がこの町フィネス・ターレです」フィナは悲し気に下を向いた。
至る所で、立ち上る黒煙。
爆発音も様々な場所から聞こえてくる。
フィナは台の上に立つと歌を歌い始めた。
フィナの歌声からは、虹が沸き上がり、両手を振ると四方に拡散されていった。
広がった虹は、荒廃した町に降り注ぎ、光となって町を再生していく。
その時だった、ヒュルヒュルと音を立てて砲弾が、フィナの方に飛んできた。
「あかねっ!頼む」俺は、あかねに合図した。
「了解しましたっ!デーフェンシーオ!」あかねは両腕を空に向かって掲げた。
シールドが展開し、砲弾はシールドに当たって、爆発した。
「ナイスあかねちゃん!」鈴乃は叫んだ。
「ディフェンスは任せてください!」あかねは親指を上げた。
「みなさん、ありがとう」フィナは頭を下げると、再び歌い始めた。
しかし、立て続けに砲弾や大量の弓矢が飛んできた。
そのたびに、あかねは、シールドを張って跳ね返した。
「守っているばかりじゃ、きりがない。こちらからも攻撃しよう」と、俺は剣を構えた。
人を殺さず、戦闘不能にすることを考えた。
しかも、ガルニ王国とボルディア帝国のどちらの軍にもダメージを与えねばならない。
俺はみんなに考えを話した「二手に分かれて、双方に戦闘不能になるようにダメージを与えよう」
「そうね、割り振りはどうするの?」鈴乃は尋ねた。
「俺と、マリス、ヴァールでガルニ王国軍を。鈴乃と凜、えるはボルディア帝国軍を、あかねフィナの防御でどうだろう?」
みんな頷いた。
「マリスに俺と、ヴァールが乗り、鈴乃は箒で、凜はえるに乗って上空から攻撃しよう」
「まかしとき!」マリスが胸を叩いた。
話が決まると、俺たちは、飛び上がった。
先ずは、砲弾や弓が届かない上空から、陣地の確認をした。
俺たちが、上空を飛ぶと、ガルニ王国とボルディア帝国どちらからも、無数の弓矢と砲弾が飛んできた。無論届く距離ではない。
「下からは、届かなくても、上からは届くんだよな」俺はそう言うと、剣を振り下ろした。
「ゴット・ヴィント!」剣からはシュルシュルと螺旋の風が沸き起こり、竜巻となって、ガルニ王国軍の先兵たちを吹き飛ばした。
「こっちも行くわよ」鈴乃は叫ぶとボルディア帝国軍に杖を振り下ろした。
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