りんけーじ200 フィナ
りんけーじ200 フィナ
地図を確認するとフィネス・ターレは東の最果ての町だった。
「この町にフィナという古代文明の技術で造られた少女型のオートマタがいる。そのオートマタを助けてもらいたい」ミーは言った。
「オートマタとは何ですか?」あかねが質問した。
「うん、君たちの技術水準で言うところの、超高度AIロボットかな」ミーは前足を舐めた。
「そのオートマタを助けろと?」鈴乃が確認するとミーは頷いた。
「詳細は行って、本人に聞けばわかる。それじゃ、よろしくね!」そう言うと、ミーは影の塊となり、やがて跡形もなく消え去った。
「ふ~む、まずはフィネス・ターレを目指すのじゃな」凜が地図を見た。
「える、マリス頼むぞ!」凜が声を掛けると、えるは「はい!」とほほ笑み、マリスは「任しとき!」とポンッと胸をたたいた。
俺たちは、町で旅の準備をし、地図を頼りに出発した。
旅は竜の翼をもってすれば、あっという間に到着した。
フィネス・ターレの町を上空から見ると、黒煙が何本も立ち上がり、爆発もいたるところで起こっていた。
「これは戦争!?」鈴乃は周囲の風景を見て暗い気持ちになった。
「あれを、見てください!」ヴァールが一点を指さして叫んだ。
ヴァールが指さした方を見ると、町の外れにポッカリと巨大な穴が広がっていた。
穴には、底が無いように漆黒の闇が、深く深く広がっていた
その時だった。俺たちは、風に乗った微かな音を聴いた。
それは歌声の様だった。
その瞬間、竜のようにうねる虹が何本も現れ、荒廃した町に降り注いだ。
虹が、降り注いだ場所は修復されていった。
それは、巨大な穴も例外ではなかった。
巨大な穴の崩れかけた端が、ちょっとずつ復元されている様だった。
虹が消失すると、再び町の破壊と穴の拡大による町の陥没が始まった。
俺たちは、虹の出所を目指し、フィネス・ターレに降り立った。
その町は長年の戦火で寂れている様だった。
「かなり荒廃している町だな」俺はあたりを見回した。
いたるところで黒煙が立ち上っているので、煤の臭いが鼻をつく。
「すごいところじゃな」凜は立ち上る黒煙を見上げた。
その時再び歌声が聞こえた。
それは優しく、心の中に染み渡るものだった。
歌声に乗って虹が現れた。
虹は何本も放出され、町の至る所に飛んで行った。
歌声を辿っていくと、一人の少女が歌っていた。
歌を歌い終わった所で、鈴乃が尋ねた「あなたが、フィナ?」
少女は満面の笑みを浮かべ「はい。私がフィナです!」と答えた。




