りんけーじ197 ベヒモスとの闘い5
りんけーじ197 ベヒモスとの闘い5
「ヒヤサント・フルグル!(青い稲妻)」と叫び俺はベヒモスに剣を振り下ろした。
その瞬間青い閃光が剣から放たれた。
鈴乃も「エクスティウム・シャリビ!(鋼の破壊)」と呪文を唱えると、杖を振った。
杖からは、緑色の光線がほとばしった。
二つの光は、ベヒモスのところで交差した。
交差した光は大爆発を起こした。
「グワオォオオオ!!!」ベヒモスの装甲ははじけ飛び、黒煙がもうもうと立ち込めた。
しばらくすると、静かになった。
辺りの煙が消えるとベヒモスはその巨大な体を横たえていた。
ベヒモスの体はシュウシュウという音と共に縮んで行った。
どんどん縮むと、やがて人間の姿になった。
うつ伏せになったその姿は、黒色のボディスーツをまとった、長髪の美少女だった。
「お、おのれ…」ベヒモスは戦闘不能になっていた。
「ベヒモスお前はもう戦えない」俺はベヒモスに向かって構えた剣を降ろした。
鈴乃も頷くと杖の構えを解いた。
「くく…魔王様の直属の配下のこのわたしが…敗れるとは」ベヒモスはその長い髪をサラサラと地面に垂らして悔しがった。
「わざわざ、こちらの世界に出向いて、異世界勇者一行を倒してくると言った私だ。こうなっては、魔王様に詫びの仕様もない。煮るなり、焼くなり好きにしろっ!」ベヒモスは右手で地面を叩いて大粒の涙を瞳からこぼした。
俺は、やれやれと言った感じで、鈴乃に目をやった。
目が合うと鈴乃も頷いた。
「俺たちはこれ以上お前と戦うつもりはない」俺はベヒモスに語りかけた。
「ならば、私にどうしろと言うのだ!」ベヒモスは顔を上げた。
「私たちの仲間にならない?」鈴乃はベヒモスに向かって歩き始めた。
「このわたしにとどめを刺さないのか?お前たちの仲間になれと?」ベヒモスは瞳を大きく見開き困惑している様子だった。
「それより、お前が暴れて破壊したこのプールの回りを修復しないとね」俺はやれやれと言った感じで語り掛けた。
「それと、この破壊行為を見ていた人々の記憶操作もね」鈴乃はウィンクした。




