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りんけーじ189 ウォータースライダー

りんけーじ189 ウォータースライダー


 そうこうしているうちに、えるも泳ぎが上達してきたようだ。

凛の教え方がうまいらしく、バタ足から、息継ぎを覚え、平泳ぎ、クロールができる様になった。

「ママ!あれがやりたい」りあがあるものを指さした。

それは、グルグルと渦巻いたウォータースライダーだった。

「あら、面白そうだね」あかねがスライダーを滑る人々を見て答えた。

「みんなで滑ってみようよ」俺は提案した。

俺たちはウォータースライダーを滑ることにした。

階段を登り、順番待ちしていると、俺たちの番になった。

「ま、ますたー…」えるは、水に吸い込まれる感覚が怖いらしく、珍しくいつもの立場とは逆に、凜にしがみつき足許がブルブルと震えていた。

「ふむ、ではわれが手本を示すから見ておれ!」凜はそう言うと、スタート台の両サイドの取っ手を掴みに寝転んだ。

そして、胸の前で両手をクロスさせ、「われについてくるのじゃ!」と言って、「あーはっは」と笑い声を残して、スライダーのチューブ吸い込まれていった。

「ひぇぇぇ」えるは口元に手を当てて涙目を浮かべて青くなった。

「える、無理だったら、滑らなくてもいいんじゃないか?」俺は、えるの顔を見て言った。

「だ、大丈夫です。ますたーが身を呈して見本を見せてくれました。それに下でますたーが待ってくれています」

えるは気持ちを落ち着かせるために、深く息を吸い込んだ。

そして、ふーっと吐き出した一瞬、ボッと炎を吐き出した。

「える!火っ、火!」鈴乃が慌ててえるに耳打ちした。

「??」周囲にいた人々は一瞬なにが起こったのか分からなかった。

えるは慌てて両手で口を押えた。

「え、えっと、今のはマジックです。このコは、時々人前でマジックを披露したがるのです」鈴乃は慌てて取り繕った。

「ど、どうでしたかー?」鈴乃は続けた。

「凄い!」「どうやったの?」周囲にいた人々は拍手喝采を送った。

ばつが悪くなったえるは、周囲の人々に手を振ると、スライダーのスタート台に座った。

そして「ま、ますたー、待ってくださいー!」と言うと、えるも見様見真似で、滑って行った。

「ぎゃぁあああ」と言う声がチューブの中から聞こえてきた。

「わらわも続くでー!」とマリスは言うと、スタート台に寝そべった。

すると、手放しにもかかわらず、マリスは静止している。

どうやら水を操っているらしい。

マリスはドヤァと言う顔を浮かべていた。

それを見た鈴乃は「どいつもこいつも常識を覆すなっ」と言って、マリスをけっぽって、無理やりスタートさせた。


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