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りんけーじ188 えるとプール

りんけーじ188 えるとプール


「な、何も見てない!何も見てないから」俺は必死に弁解して目をぎゅっと結んだ。

と、鈴乃が俺の後ろに回り、タオルの目隠しをギュッと閉めなおした。

「やっぱり、あんたは、最後ね!」と言われ、更衣室の外で待たされた。

皆が着替え終わると、俺は女子トイレに案内され、個室の中で着替えることになった。

外に出ると、真夏の真っ白い日差しと青いプールの塩素の匂いで一瞬クラッとした。

プールに足先を入れると、ちょっとヒンヤリした。

「ふーっ」と息をつきながら、プールに浸かってみた。

最初は冷たかったが、徐々に体が水になれると気持ち良くなってきた。

えるは、今日は魔法を使わず、凛に泳ぎを教わっていた。

「ますたー、水はやはり怖いです。ここはひとつ魔法でエラを作りましょう」えるが悲壮な顔をして凜に懇願した。

「ダメじゃ!地竜といえど、泳げるようにならんとな。それにここは人間の作った池の様なものでプールと言うんじゃ」

「そ、そんなぁ。無理です」珍しくえるは弱気になっていた。

「われがいるから大丈夫じゃ!」凜はえるの手を取って、ちゃぷんと静かにプールに入った。

えるは「ぎゃー!息ができない!溺れるブクブク….」と水をバシャバシャと搔き暴れ始め、凜にしがみついた。

すると、魔法陣が現れ、えると、凜は水面に立ち上がった。

「えっ?」周囲の人々が一瞬驚いた。

「ヤバイっ!」俺は慌てて二人に駆け寄ると、慌てて2人を水中に引きずり込んだ。

「ぎゃー、何をする!」とえるは涙目になり再び暴れ始めた。

「何を暴れておるのじゃ!える!ここは足が着くぞ!」凛が言った。

凜に言われて、えるは我に帰った。

えるは、凜にしがみつきながら、恐る恐る足先を、水底に付けてみた。

そこは、水深が膝の高さほどの幼児用プールだった。

隣ではりあが、ヴァールに見守られながら、涼し気にツツーと泳いでいた。

「!!!」えるは、真っ赤になり、えるから体を放すと立ち上がった。

「すみません、ますたー…取り乱してしまって….」えるは恥ずかしそうに凜に謝った。

「水が苦手なのじゃから無理もない。ゆっくり練習していくのじゃ」と凛はえるに優しく

声を掛けた。

えるは凜に両手を取ってもらい、足をバシャバシャと動かした。

しかし、えるは沈んでゆく。

「力のいれすぎじゃ。もっと体の力を抜いて」凜が始動した。

「えるちゃん、こう泳ぐんだよ」と言ってりあが、えるに足の動かし方の見本を見せた。

「なるほど、そうするのね」えるは全身の力をすーっと抜いて、足を上下に動かしてみた。

すると、体は沈まなくなり、バタ足で前に進める様になった。

「えるちゃん!すごーい」りあは満面の笑みを浮かべた。


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