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りんけーじ177 マーシュとの別れ

りんけーじ177 マーシュとの別れ


 リアの心臓は、再び鼓動を始めた。

「ママ、動いてる…」リアはトクントクンと動く自分の心臓に不思議そうに手を当てた。

「そうね」ヴァールは静かにほほ笑んだ。

事の成り行きを見ていた俺は、はーっと息を吐いた。

「ヴァールそれでよかったの?」鈴乃が問いかけた。

ヴァールはリアの顔を見るとニコッとほほ笑んだ。

「さあ、雲を呼びますよ!」マーシュはそういうと金色の雲を呼び、俺たちは鉄塔を下っていった。

世界樹の先端につくと「私が案内できるのはここまでです」とマーシュが言った。

俺は「マーシュ!いろいろと世話を掛けたね。ありがとう」と声を掛けると、不意にマーシュが抱き着いてきた。

俺の体は一瞬硬直した。

こ、これは今俺が女性化しているから同性としてマーシュはハグしたんだと自分に言い聞かせた。

鈴乃から鋭い視線が向けられた。

「皆さん、またいつでも遊びに来てくださいね。ガルド、ガルム、ガルゴのケロベロスたちも大歓迎しますわ」

ケルベロスは尻尾を振り、ク~ンと鳴くとあかねを取り囲みぺろぺろと舐め始めた。

「ああん、やめて!唾液でベタベタになっちゃった」何故かケロベロス達はあかねがお気に入りのようだった。

イフリートとの闘いで、火傷したケロベロスたちを回復させてやったからだった。

マーシュ達と別れを告げエレベーターに乗り込むと下界を目指した。

世界樹の麓まで下りてくると、とりあえず、俺たちの世界に戻ることにした。

えるとマリスはドラゴン形態となった。

「ママ、怖い」とリアはヴァールにひっしとしがみつき最初は驚いたようだったが、2頭の瞳をじーっとみると、「あっ!お姉ちゃんたちだ!」と言って、それぞれえるとマリスだということを気付いたようだった。

リアは恐る恐るえるに近寄ると、足を撫でた。

えるも首をそっと下げて、リアの方に持っていくと、「いい子、いい子」とリアはえるの頭を撫で始めた。

「親分ばかりズルーい、わらわの頭のなでてや!」とマリスが頭をもたげてきた。

「はい、はい。順番、順番」と言うとリアは、マリスの頭も撫で始めた。

マリスは満足そうだった。

俺たちは、えるとマリスにそれぞれ乗り、いつもの州発地点を目指した。

俺はえるの背中で、リアをどうしたものかと考えていた。


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