表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/292

りんけーじ175 リアの正体

りんけーじ175 リアの正体


「あれこの子は?」その時マーシュが近づいてきた。

「この子が一人でいて一緒に親を探していたところ、偶然にも野生のヴィデ・ブルー・リリウムを見つけたの。

マーシュはヴァールが握っている青い花をまじまじと見た。

「どうやら、自生しているヴィデ・ブルー・リリウムに間違いないわ」マーシュは答えた。

「それよりこの子…」マーシュは、ヴァールの隣に立っている女の子を観察した。

「あなたどこから来たの?」マーシュは女の子に話しかけたが、女の子はさっとヴァールの後ろに隠れて首を振るだけだった。

「お名前は」再びマーシュが訪ねた。

女の子はもじもじしているだけだった。

「リアよ」ヴァールが代わりに答えた。

「なんでここにいるの?」マーシュはさらに続けた。

リアはわからないと言った風に首を横に振るだけだった。

「ふぅん」マーシュは自分の顎に指を当てた。

しばらく間をおいてマーシュはしゃべり始めた「どうやらこの子は幽霊ね」

「えっ!?」とヴァールは驚いた。

だってどう考えても変でしょう、こんな高い鉄塔の上に女の子が一人で、いるなんて。とても一人じゃ上ってこれないわ」

マーシュは続けた「この塔に関する古い言い伝えで、死者の霊がヴィデ・ブルー・リリウムを求めて、さ迷って来るらしいの」

「じゃあリアは私と同じ幽霊だって言うの?」ヴァールは目を見張った。

ヴァールはリアの頭を撫でると顔をまじまじと見た。

かわいい大きなつぶらな瞳、可愛くてちっちゃな鼻、かわいい薄いピンクの唇…

リアはヴァールが見つめるとにっこりとほほ笑んだ。

こんな子が幽霊だなんて、と思いながらもリアの手を握った時の冷たい感触がヴァールの脳裏をよぎった。

ヴァールは恐る恐るリアの頸動脈にそっと手を当ててみた。

―――やはり、脈動がない…

「リア、あなた、幽霊…なの?」ヴァールは胸のモヤモヤを払拭すべく思い切ってリアに聞いてみた。

「うん。そうだよ!ヴァールと同じだよ!」リアは満面の笑みを浮かべていたが、瞳に涙をためつつヴァールに抱き着いた。

「この子はなぜの若さで亡くならなければならなかったのだろう?」

「この子を助ける手立てはないのだろうか?」

ヴァールの頭の中で考えがぐるぐる回っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ