りんけーじ17 モンスター探索
りんけーじ17 モンスター探索
「えぇっとー、どうすればアイテムが手に入りますかねー?」あかねが尋ねた。
「まぁ、なんかモンスターを倒せば、報酬がもらえるんじゃないかしら?」と、鈴乃は答えた。
モンスター討伐かぁ。この間はオオネズミに殺されそうになったからな…そうだ、あかねには、皆を回復できるヒーラー・アイテムを待たせよう。と、俺は考え、あかねと鈴乃に提案してみた。
二人とも同意した。
「モンスターは、どこにいるのかしらね?」鈴乃は辺りを見回しながら言った。
「うーん、また適当に歩き回っていれば現れるんじゃないのかな?」と、俺は答えた。
「パーティーも歩けば~♪モンスターに当たる~♪アイテム♪ アイテムー♪ 早くアイテムが欲しいですっ!」あかねが鼻歌を歌っていた。
街道に沿って歩いていると、町外れの川に出た。架かっている吊り橋を渡っている途中、鈴乃が「川の中に潜む魔獣なんてどうかしら?」と言った。
「まあ、いそうではあるよな」と、俺は呟いた。
「どうすれば魔獣とご対面できますかね~?」と、あかねが言った。
「川に向かって石でも投げ込めば、怒って魔獣が出てくるんじゃないかしら?円正寺君、石を投げこんでみてよ」鈴乃が半ば命令口調で俺に言った。
仕方がないので、人の頭ほどの石を川岸から探し、吊り橋の中程まで持ってきて川に向かって投げ込んだ。
ドッボーン!と音がして、暫く3人で様子を見ていたが、川の流れる音だけになった。
「...何も変化が無いわね。失敗かしら?」石が落ちたところを鈴乃が眺めつつ答えた。
川岸まで戻ろうと、歩き始めた時だった。突如、川面からブクブクと泡が湧き出し、やがて、渦巻きが起こり、その中心が突然盛り上がったかと思うと、巨大なワニの様な魔獣が現れた。
グワーッ!と魔獣は吠え、橋に体当たりした。橋は、グラグラ左右に激しく揺れ、「きゃー!」とあかねは、叫び声を上げた。
「このままじゃ、橋が崩れる、逃げろ!」と、俺は声を張り上げた。。
バランスを崩し、橋を滑り落ちる直前に橋の欄干に何とか両腕を絡み付けた。
魔獣が一旦橋から離れ、次の攻撃に向かおうとした瞬間、鈴乃が「今よ!川岸に向かって走りましょう!」と言った。
俺たちは、急いで橋の上を駆け抜けた。岸に辿り着く瞬間、ドォオン!激しい衝撃が走った。再び魔獣が勢いをつけて橋に体当たりした。
俺は鈴乃とあかねの手を掴んだ「みんな、向こう岸に向かって飛べー!」と叫んだ。
皆の足が橋から離れた瞬間、バキバキッ!と音がして橋は崩壊した。
「うっぎゃー!」と、俺は声を上げ、川岸に転げ込んだ。
「イタタタ…」鈴乃は腰を擦りながら立ち上がった。「きゅ~ん」と、あかねは目を回していた。俺も何とか立ち上がった。
川の方を見ると橋は、ゴウゴウと音を立てながら、土煙を上げ、水底に引きずり込まれていった。