りんけーじ168 イフリート
りんけーじ168 イフリート
「一体どうしたんですか?」下での爆発音について俺はマーシュに質問した。
マーシュは一瞬顔を曇らせた「どうやら下でトラブルがあったらしいのです。私はちょっと見てきます。皆さんはこちらでくつろいでいてください」そう言うとニコッと笑った。
状況を何となく察した俺たちは、皆を見回した。鈴乃は頷き、凜もヤレヤレと言った顔で頷いた。それを見たえるはドラゴンの様に楽しそうに笑った。あかねやヴァール、マリスも首を縦に振った。
「何言ってるんですか!私たちも加勢します」俺はマーシュに言った。
「ありがとう。でも、あなた方を危険な目に合わす訳には…」マーシュは目を閉じた。
「危険な目には慣れっこよ!ね」鈴乃が俺に目配せした。
「み、皆さん」マリスの瞳が潤んだ。
「そうと決まれば、はやく行きましょう!」俺はマーシュに言った。
マーシュは少し考えた後、意を決したように口を開いた「わかりました。私たちを助けてください」
そう言うと、マーシュは金色の雲を呼び寄せた。
マーシュが両手を広げると金色の雲は、広がりみんなが乗れる大きさになった。
マーシュは雲に飛び乗った「皆さんも乗ってください」
俺たちは金色の雲に飛び乗った。
「では、向かいましょう」マーシュは下を指差した。
雲は徐々に降下していった。
「ケルベロスちゃんたちは、大丈夫なの?」鈴乃は心配そうに聞いた。
「先ほどの、報告ではけがをしている様ですが、まだ頑張って戦っている様です」マーシュは答えた。
下に向うに連れ、白い雲の中にモクモクと黒煙が混じっているのが見えてきた。
「下は凄い事になっているようじゃな」凜が下を見て言った。
黒煙に煤が混じって飛んできた。
「一体敵は何者なの?」俺はマーシュに訊ねた。
「どうやら、イフリートの様です」マーシュは答えた。
「イフリート…」俺は唾を飲んだ。
「そうです!イフリートです」マーシュはおれの瞳を見た。
「ええっと、マーシュさんイフリートってどんなヤツ?」
てっきり俺が知っているものだとばかり思っていたマーシュは拍子抜けした様だった。
マーシュは気を取り直して言った「イフリートは魔王軍幹部で火を司る悪魔です。強力な炎を吹きどんなに鋭い武器でも、イフリートを傷つけることは困難だと言われています」
「へ?」俺はマーシュの説明を聞いて呆気に取られた。
「そ、そんなやつどう戦えば?」俺は途方に暮れて飛んでくる煤を握った。




